SEO対策を行った後、その効果をきちんと確認することはとても大切です。成果を数字で見ることで、どの施策が効果的だったのか、何をさらに改善すべきかがわかります。今回は、SEOレポートに含めるべき項目や内容について、わかりやすく解説します。これからSEOレポートを作る方や、より効果的なレポートを作りたい方はぜひ参考にしてください。
SEOレポートとは?その目的と重要性
SEOレポートは、検索エンジン(主にGoogle)でのWebサイトの状況を数字やグラフでまとめた報告書です。例えるなら、学校のテストの成績表のようなものです。どの科目(対策)が得意で、どの科目が苦手なのかが一目でわかります。
SEOレポートの主な目的
①施策の効果確認
行ったSEO対策が成功しているかどうかを数字で確認できます
②改善点の発見
うまくいっていない部分を見つけて、次の対策を考えるための材料になります
③関係者への報告
上司やクライアントに対して、作業の成果を分かりやすく伝えることができます
SEOレポートをきちんと作成すると、「なんとなくサイトの調子が良くなった気がする」といった曖昧な感覚ではなく、「このキーワードで検索順位が○位上がりました」「アクセス数が○%増加しました」といった具体的な成果を示せるようになります。これにより、SEO対策の価値を関係者に理解してもらいやすくなるのです。
SEOレポートに含めるべき基本項目
効果的なSEOレポートを作るには、いくつかの重要な項目を含める必要があります。まずは基本となる3つの大切な指標から見ていきましょう。
1. 検索順位(キーワードランキング)
検索順位とは、特定のキーワードで検索したときに、自分のサイトが何番目に表示されるかを示す指標です。例えば「ランドセル 人気」というキーワードで検索したとき、あなたのサイトがGoogle検索結果の3番目に表示されれば「3位」となります。
SEO対策の最も直接的な成果として、ターゲットキーワードの検索順位の変化を確認することは非常に重要です。1位から10位(1ページ目)に表示されるか、それとも2ページ目以降に埋もれてしまうかで、クリック率は大きく変わってきます。
掲載位置 | 平均クリック率 |
---|---|
1位 | 約28% |
2位 | 約15% |
3位 | 約11% |
4〜10位 | 約3〜8% |
2ページ目以降 | 1%未満 |
レポートでは、重要なキーワード(5〜10個程度)について、以下の情報を記載しましょう:
- 現在の検索順位
- 前回のレポート時点からの順位変動
- 目標としている順位との差
2. オーガニックトラフィック(自然検索からの流入)
オーガニックトラフィックとは、検索エンジンから自然に流入してきた訪問者の数です。広告をクリックしてきた訪問者ではなく、検索結果の通常の一覧(自然検索結果)からサイトを訪れた人の数を指します。
SEO対策の大きな目的は、このオーガニックトラフィックを増やすことにあります。キーワードの検索順位が上がっても、実際にサイトへの訪問につながらなければ意味がありません。
レポートには以下の情報を含めましょう:
- 全体のオーガニックトラフィック数
- 前月比・前年同月比の増減率
- 流入したページ(ランディングページ)のトップ10
- 流入キーワード(Google Search Consoleで確認可能なもの)
3. コンバージョン(成果)
コンバージョンとは、サイトの最終的な目的が達成されたことを指します。例えば、商品の購入、資料請求、会員登録、問い合わせなどがこれにあたります。
いくら検索順位が上がり、多くのトラフィックを集めても、最終的な成果に結びつかなければビジネス上の価値は限定的です。コンバージョンを測定することで、SEO対策が実際のビジネス成果にどのように貢献しているかを確認できます。
レポートには以下の情報を含めましょう:
- オーガニック検索からのコンバージョン数
- コンバージョン率(訪問者数に対するコンバージョン数の割合)
- 前月比・前年同月比の増減率
- コンバージョンにつながった主要なキーワードやページ
より詳細な分析のための追加項目
基本的な3項目に加えて、より詳しい分析や特定の課題に対応するために、以下の項目もSEOレポートに含めると効果的です。
4. インデックス状況
インデックス状況とは、自分のサイトのページがGoogleにどれだけ認識され、検索結果に表示される状態になっているかを示します。
Google Search Consoleで確認できる主な指標は以下の通りです:
- インデックス済みページ数
- インデックスエラーがあるページ数
- クロール状況(Googleのロボットがサイトを巡回した頻度や量)
せっかく良いコンテンツを作っても、Googleにきちんと認識されていなければ検索結果に表示されません。特に新しく作ったページや更新したページがインデックスされているか確認することは重要です。
5. サイト滞在時間と直帰率
サイト滞在時間は訪問者がサイト内でどれくらいの時間を過ごしたかを、直帰率はサイトに訪れた人がすぐに離脱した(他のページを見ずに帰った)割合を示します。
指標 | 良い値の目安 | 注意が必要な値 |
---|---|---|
平均セッション時間 | 2分以上 | 30秒未満 |
直帰率 | 40%以下 | 70%以上 |
ページ/セッション | 2ページ以上 | 1.2ページ未満 |
これらの指標は、サイトのコンテンツが訪問者のニーズに合っているかどうかを判断する手がかりになります。滞在時間が短く直帰率が高い場合、検索意図とコンテンツのミスマッチが疑われます。
6. モバイル対応状況
スマートフォンからの検索が増えている現在、モバイル対応は非常に重要です。Googleはモバイルフレンドリーなサイトを優先的に表示する「モバイルファースト」の考え方を採用しています。
レポートに含めるべき項目:
- モバイルでの表示速度
- モバイルユーザビリティスコア
- モバイルからの流入割合と前回からの変化
特にページ表示速度は、検索順位やユーザー体験に大きく影響します。モバイルユーザーは、表示が遅いサイトをすぐに離脱する傾向があります。
期間比較とトレンド分析の重要性
SEOレポートでは、単に現在の数字を見るだけでなく、過去との比較を行うことが非常に重要です。これにより、施策の効果や季節変動などのトレンドを確認できます。
1. 比較すべき期間
効果的な分析のために、以下の期間比較を行いましょう:
- 前月比較(例:5月 vs 4月)- 直近の変化を確認できる
- 前年同月比較(例:2025年5月 vs 2024年5月)- 季節要因を排除して比較できる
- SEO施策開始前との比較 – 施策全体の効果を測定できる
特に季節性のあるビジネスでは、前年同月との比較が重要です。例えば、「水着」というキーワードは夏に検索が増えるため、前月との比較だけでは正確な分析ができません。
2. トレンドグラフの活用
数値の変化は、表よりもグラフで表示する方が傾向を把握しやすくなります。以下のようなグラフをレポートに含めると効果的です:
- 主要キーワードの検索順位推移(線グラフ)
- オーガニックトラフィックの月次推移(線グラフ)
- コンバージョン数と率の推移(複合グラフ)
グラフを見ることで、数値の変化だけでなく、「右肩上がりに改善している」「一時的に落ち込んだ後に回復している」といった傾向が分かりやすくなります。
わかりやすいSEOレポートの作り方
データを集めたら、次はそれをわかりやすく伝えるレポートにまとめる必要があります。特にSEOに詳しくない人にも理解できるレポート作りが重要です。
1. レポートの基本構成
効果的なSEOレポートは、以下の構成で作ると理解されやすくなります:
- サマリー(エグゼクティブサマリー)- 最も重要な指標と全体の傾向を簡潔に
- KPI(重要業績評価指標)の状況 – 目標に対する達成度
- 詳細分析 – 各項目の詳しいデータと考察
- 問題点と課題 – 改善が必要な点
- 次回の対策と予測 – 今後の施策予定
レポートの最初に「サマリー」を置くことで、忙しい方でも数分で全体像を把握できるようになります。詳しく知りたい場合は、後の詳細ページを参照できるようにしましょう。
2. データの視覚化
数字だけの羅列ではなく、グラフや表を使って視覚的に伝えることが大切です:
- 検索順位の変動 → 折れ線グラフ
- トラフィック構成 → 円グラフや棒グラフ
- コンバージョンの内訳 → 積み上げ棒グラフ
- 前月比・前年比の変化 → 矢印アイコンや色分け(↑緑、↓赤など)
人間の脳は文字よりも視覚的な情報を素早く処理できるため、グラフや色の活用でデータの意味が伝わりやすくなります。
3. ツールの活用
SEOレポート作成には、以下のようなツールが役立ちます:
- Google Search Console – 検索パフォーマンスデータの取得
- Google Analytics 4 – サイト訪問者の行動分析
- Looker Studio(旧Data Studio) – データの視覚化とレポート作成
- 検索順位チェックツール – キーワード順位の追跡
特にLooker Studioを使えば、データソースを連携させてダッシュボード形式のレポートを自動更新できるため、レポート作成の手間を大幅に削減できます。
SEOレポートを活用した改善サイクル
SEOレポートは単なる報告書ではなく、継続的な改善のためのツールです。レポートから得た知見を次のアクションにつなげていきましょう。
1. PDCAサイクルの実践
効果的なSEO改善には、以下のサイクルを繰り返すことが重要です:
ステップ | 内容 | レポートでの確認ポイント |
---|---|---|
Plan(計画) | SEO施策の計画立案 | 前回の課題と目標設定 |
Do(実行) | コンテンツ作成・内部対策など | 実施した施策の記録 |
Check(評価) | 効果測定と分析 | KPIの達成状況 |
Act(改善) | 次の施策への反映 | 次回の改善方針 |
レポートは「Check(評価)」の核となるものであり、次の「Act(改善)」と「Plan(計画)」につなげるための重要な資料になります。
2. 成功事例と失敗事例の蓄積
継続的にレポートを作成することで、以下のような知見が蓄積されていきます:
- どのような内容のコンテンツが検索順位を上げやすいか
- どのキーワードが最もコンバージョンにつながりやすいか
- サイト改修がSEOに与える影響(良い影響と悪い影響)
これらの情報は、将来の施策立案にとって非常に価値のある財産となります。業界や自社サイトならではの特性を把握できるからです。
まとめ:効果的なSEOレポートで成果を最大化しよう
SEOレポートは単なる数字の羅列ではなく、SEO施策の効果を可視化し、次の改善につなげるための重要なツールです。
効果的なSEOレポートを作成するためのポイントをおさらいしましょう:
項目 | ポイント |
---|---|
基本指標 | 検索順位、オーガニックトラフィック、コンバージョンは必須 |
追加指標 | インデックス状況、サイト滞在時間、モバイル対応状況なども確認 |
期間比較 | 前月比と前年同月比で変化とトレンドを把握 |
視覚化 | グラフや表を活用し、直感的に理解できるようにする |
改善サイクル | レポートを次の施策につなげるPDCAサイクルを回す |
SEOレポートを通じて数字で成果を確認することで、「なんとなく」ではなく「確実に」SEO効果を高めていくことができます。本記事で紹介した項目や作り方を参考に、自社やクライアントに最適なSEOレポートを作成してみてください。
定期的なレポート作成と分析を通じて、少しずつでも着実にSEOの成果を積み上げていくことが、長期的な検索上位表示とオーガニックトラフィック獲得の秘訣です。
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