SEOポイズニング(SEO Poisoning)とは、検索エンジン最適化(SEO)技術を悪用して不正なウェブサイトを検索結果の上位に表示させる悪質な手法です。これにより、悪意のあるサイトに無防備なユーザーを誘導し、マルウェアやウイルスに感染させたり、個人情報を盗んだりする危険があります。この記事では、SEOポイズニングの仕組みや見分け方、そして対策方法について中学生でもわかるように解説します。
SEOポイズニングとは
みなさんは「SEO」という言葉を聞いたことがありますか?SEOとは「Search Engine Optimization(検索エンジン最適化)」の略で、Googleなどの検索エンジンで自分のウェブサイトが上位に表示されるようにする技術です。
SEOポイズニングとは、このSEO技術を「悪用」して、悪意のあるサイトが検索結果の上位に表示されるようにする手法です。「ポイズニング」は英語で「毒を入れる」という意味があり、まさに検索結果に「毒」を混ぜるような行為といえます。
SEOポイズニングの基本
①SEOとは
検索エンジンで上位表示されるための正当な技術
②ポイズニングとは
正当な技術を悪用して不正なサイトを上位表示させること
SEOポイズニングの仕組み
SEOポイズニングは、どのような仕組みで行われているのでしょうか。基本的な手法をわかりやすく説明します。
悪意あるサイトを作成する手法
攻撃者は以下のような方法で、悪意のあるサイトを検索結果の上位に表示させます。
- 人気のキーワードを大量に使用する
- 偽の情報や評価を作成する
- 他のサイトから不正に多くのリンクを取得する
- 検索エンジンとユーザーに異なる内容を表示する「クローキング」という手法を使う
正規サイトを改ざんする手法
既に検索順位が高い正規のウェブサイトに不正にアクセスして改ざんするケースもあります。この場合、サイト所有者が気づかないうちに、サイト訪問者が危険にさらされることになります。
手法 | 概要 | 危険度 |
---|---|---|
キーワード詰め込み | 人気キーワードを過剰に使用 | 中 |
クローキング | 検索エンジンとユーザーに異なる内容を表示 | 高 |
サイト改ざん | 既存の信頼性の高いサイトを改ざん | 非常に高 |
マルウェア配布 | 訪問者のPC等に自動でマルウェアをインストール | 非常に高 |
SEOポイズニングの特徴と見分け方
SEOポイズニングを用いた詐欺サイトには、いくつかの共通した特徴があります。以下のポイントに注意することで、怪しいサイトを見分けることができます。
不自然に安い価格設定
市場価格の半額以下など、あり得ないほど安い価格で商品が販売されている場合は要注意です。「こんなに安くて大丈夫?」と思ったら、それは危険信号かもしれません。
URLの不一致
検索結果に表示されたURLと、実際にクリックして移動したサイトのURLが異なる場合があります。これは、検索からリダイレクト(転送)が行われている可能性が高く、SEOポイズニングの典型的な手口です。
不自然なサイトデザイン
サイトのデザインが粗雑だったり、画像が少なかったり、文法的におかしな日本語が使われていたりする場合は注意が必要です。特に有名ブランドや企業のサイトを装っているのに、公式サイトとはデザインが大きく異なる場合は危険です。
- 価格が市場価格よりも極端に安い
- URLが検索結果と実際のサイトで異なる
- サイトデザインが粗雑または不自然
- 文法的におかしな日本語が使われている
- 連絡先情報が不明確または存在しない
SEOポイズニングの被害事例
実際にどのような被害が起きているのか、具体的な事例を見てみましょう。
偽ショッピングサイト事例
人気の高級ブランド商品を検索すると、公式サイトの半額以下で販売する偽サイトが上位表示されるケースがあります。このようなサイトで商品を購入すると、商品が届かなかったり、偽物が届いたりするだけでなく、入力したクレジットカード情報も盗まれる危険性があります。
マルウェア配布事例
人気ソフトウェアの無料ダウンロードを装ったサイトが検索上位に表示され、実際には悪意のあるソフトウェア(マルウェア)をダウンロードさせるという事例も報告されています。2022年には、医療関連のソフトウェアを装ったマルウェアが多数配布されたことがありました。
実際の被害例
①金銭的被害
偽ショッピングサイトでの購入により、商品が届かない・偽物が届く・クレジットカード情報が盗まれる
②情報流出
個人情報やログイン情報が盗まれ、他のサービスも不正利用される
③マルウェア感染
コンピュータがウイルスに感染し、データが暗号化されて身代金を要求される
個人ができるSEOポイズニング対策
SEOポイズニングから身を守るために、個人でできる対策をご紹介します。
URLをしっかり確認する
サイトにアクセスする前に、URLが正しいものかどうか確認することが大切です。特に有名企業やブランドのサイトを訪れる場合は、公式サイトのURLをあらかじめ確認しておくと安心です。
セキュリティソフトを活用する
信頼できるセキュリティソフトを導入し、常に最新の状態に保つことで、悪意のあるサイトへのアクセスを事前に防ぐことができます。多くのセキュリティソフトには、怪しいサイトを警告する機能が搭載されています。
価格や条件が「良すぎる」サイトは警戒する
「通常価格の半額以下」「限定特価」などの言葉に飛びつかないようにしましょう。特に人気商品が極端に安い場合は、詐欺の可能性を疑ってください。
- URLをよく確認する(特に「https://」で始まっているか)
- セキュリティソフトを最新の状態に保つ
- ブラウザの警告を無視しない
- あまりにも条件が良すぎる場合は疑う
- 不審なサイトでは個人情報を入力しない
- 定期的にパスワードを変更する
企業が行うべきSEOポイズニング対策
企業や組織がSEOポイズニング対策として実施すべきことをご紹介します。
Webサイトのセキュリティ強化
自社のWebサイトが改ざんされないよう、セキュリティの強化が重要です。具体的には以下の対策が効果的です。
対策 | 効果 |
---|---|
定期的なセキュリティ更新 | 既知の脆弱性を修正し、攻撃のリスクを減らす |
強固なパスワード設定 | 不正アクセスを防止する |
多要素認証の導入 | パスワードが漏えいした場合でも不正アクセスを防ぐ |
定期的なバックアップ | 改ざんされた場合に速やかに復旧できる |
改ざん検知ツールの導入 | 不正な変更をすぐに発見できる |
従業員教育の徹底
社内の従業員に対するセキュリティ教育も重要です。特にWebサイト管理者やコンテンツ更新担当者は、SEOポイズニングの手口や対策について理解しておく必要があります。
定期的なモニタリングの実施
自社のWebサイトが検索エンジンでどのように表示されているか定期的に確認することも有効です。自社のブランド名で検索して、偽サイトが上位に表示されていないか監視しましょう。
まとめ:SEOポイズニングから身を守るために
SEOポイズニングは、検索エンジンの仕組みを悪用した巧妙な攻撃手法です。しかし、基本的な注意点を押さえておくことで、被害を防ぐことができます。
- URLや価格をしっかり確認する習慣をつける
- セキュリティソフトを導入し、最新の状態に保つ
- 「良すぎる話」には警戒する
- 不審なサイトでは個人情報を入力しない
インターネットは便利なツールですが、危険も潜んでいます。「少し変だな」と感じたら立ち止まり、確認する習慣をつけることが大切です。この記事を参考に、安全なインターネット利用を心がけましょう。
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