SEOは海外と日本だとやり方が違う?英語圏や中国語圏だとどうなる?

インターネットが普及したグローバル社会では、海外のお客様にもホームページを見てもらう機会が増えています。しかし、海外向けと日本向けのSEO(検索エンジン最適化)には大きな違いがあります。この記事では、海外SEOと日本SEOの違いについて、中学生でも理解できるように分かりやすく解説します。

海外SEOと日本SEOの基本的な違い

まず初めに、海外SEOと日本SEOの基本的な違いについて理解しましょう。国が違えば、使用する言語、検索エンジン、文化や習慣など様々な要素が異なります。

比較項目 日本SEO 海外SEO
主要検索エンジン Google(約76%)
Yahoo! Japan(約20%)
国によって異なる
(Google、Baidu、Yandexなど)
言語 基本的に日本語のみ 各国の言語(英語、中国語など)
好まれるコンテンツ 情報量が多い
信頼性が高い
視覚的に魅力的
エンターテイメント性がある
検索ワード 2〜3語の短い単語型 質問形式や長い文章型(特に英語圏)

これらの違いを理解した上で、それぞれの国や地域に合わせたSEO戦略を考える必要があります。

検索エンジンのシェアの違い

SEO対策を考える際に最も重要なことの一つが、対象とする国や地域でどの検索エンジンが使われているかを知ることです。

主要な国・地域別の検索エンジンシェア

  • 日本:Google(約76%)、Yahoo! Japan(約20%)
  • アメリカ:Google(約88%)、Bing(約6%)
  • 中国:Baidu(約75%)、搜狗(Sogou、約15%)
  • ロシア:Yandex(約45%)、Google(約50%)
  • 韓国:Google(約70%)、Naver(約25%)
  • ヨーロッパ:Google(約91%)、Bing(約4%)、Yandex(約3%)

国によって検索エンジンのシェアが大きく異なるため、ターゲットとする国に合わせた対策が必要です。特に中国ではGoogleがほとんど使われておらず、BaiduやSogouといった独自の検索エンジンが主流となっています。

検索エンジン別の特徴

①Google
世界的に最も使われている検索エンジン。コンテンツの質、モバイル対応、表示速度などを重視。
②Baidu(中国)
中国語に特化し、中国サーバーを好み、メタデータを重視。政治的な配慮も必要。
③Yandex(ロシア)
ロシア語に特化し、地域性を重視。メタデータの詳細な設定が効果的。

英語圏のSEO特徴

英語圏(アメリカ、イギリス、オーストラリアなど)のSEOには以下のような特徴があります。

アメリカのSEO特徴

アメリカはデジタルマーケティングが最も進んでいる国の一つで、最新のSEO戦略が常に試されています。

  • Googleのアルゴリズム変更が最初に影響する地域
  • 質問形式の検索クエリが多い(例:「How to…」「What is…」)
  • モバイル対応が非常に重要
  • コンテンツの質と権威性が重視される
  • ユーザーエクスペリエンス(UX)が検索順位に大きく影響

イギリスなどその他の英語圏の特徴

イギリスやオーストラリアなど、米国以外の英語圏でも基本的な考え方は似ていますが、いくつかの違いもあります。

国/地域 特徴 注意点
イギリス スペルの違い(colour/color)
表現の違い
イギリス英語を使用
地域性を考慮する
オーストラリア 独自の表現
地域性が強い
現地の言い回しを使用
季節が北半球と逆
カナダ 英語とフランス語が混在
米国とイギリスの中間的な表現
言語設定に注意
両言語でのコンテンツ提供

英語圏であっても国や地域によって使われる表現やスペルが異なるため、ターゲットとする地域に合わせた細かい調整が効果的です。また、検索意図も国によって変わることがあります。

中国語圏のSEO特徴

中国や台湾、香港などの中国語圏でのSEOは、他の地域とは大きく異なります。

中国本土のSEO特徴

中国本土では、BaiduやSogouといった独自の検索エンジンが主流であり、Googleは基本的にアクセスできません。

  • Baiduは中国語に特化した独自のアルゴリズムを持つ
  • 中国のサーバーを使用することが重要
  • 政府の規制に配慮したコンテンツ作りが必要
  • メタデータを重視(タイトルタグ、メタディスクリプションなど)
  • Baiduの独自サービス(Baidu百科、Baidu知道など)の活用が有効

Baidu SEOの重要ポイント

①中国国内サーバーの利用
中国国外のサーバーは表示速度が遅くなるため評価が下がります。
②ICP登録の取得
中国でビジネスサイトを運営するには工業情報化部のICP登録が必要です。
③簡体字の使用
中国本土では簡体字を使用し、台湾や香港では繁体字を使用します。

台湾・香港のSEO特徴

台湾や香港では、Googleのシェアが高いですが、言語や文化の違いがあります。

地域 主要検索エンジン 使用文字 特徴
台湾 Google(約85%)
Yahoo!(約10%)
繁体字 日本との関係性が深い
より日本的な表現が好まれる
香港 Google(約80%)
Yahoo!(約15%)
繁体字
英語も併用
国際的な視点
英語と中国語の併用

中国語圏でのSEOは、言語(簡体字/繁体字)や検索エンジンの違いに加えて、政治的な配慮も必要となる複雑な市場です。

ヨーロッパのSEO特徴

ヨーロッパは多くの国と言語が混在する地域で、国ごとに異なるSEO対策が必要です。

多言語対応の重要性

ヨーロッパでは、多言語でのコンテンツ提供が重要です。EU圏内だけでも20以上の公用語があります。

  • hreflangタグを使用して言語ごとのページを適切に設定
  • 各国の言語に合わせたキーワード選定(単なる翻訳では不十分)
  • 地域ごとのドメイン設定(.fr, .de, .esなど)
  • 文化的な違いへの配慮

主要国のSEO特徴

ヨーロッパの主要国におけるSEO特徴を見てみましょう。

主要検索エンジン 特徴
ドイツ Google(約95%) データプライバシーを重視
長い複合語が多い
詳細な情報提供が好まれる
フランス Google(約94%) アクセント記号に注意
文化的コンテキストが重要
視覚的なデザインを重視
イタリア Google(約96%) ローカルコンテンツを重視
モバイル検索の割合が高い
地域情報の最適化が必要
スペイン Google(約96%) 中南米スペイン語との違い
地域性の強いコンテンツ
ソーシャルメディアの影響が強い

ヨーロッパでは全体的にGoogleのシェアが非常に高いですが、各国の言語や文化に合わせたきめ細かい対応が求められます。また、EU一般データ保護規則(GDPR)などの法規制への対応も必要です。

日本SEOの特徴

ここで、海外との比較のために日本SEOの特徴についても整理しておきましょう。

日本のSEOの基本的特徴

  • Google(約76%)とYahoo! Japan(約20%)が二大検索エンジン
  • Yahoo! JapanはGoogle検索エンジンを使用しているため、基本的にはGoogle対策が中心
  • モバイルファーストインデックスへの対応が進んでいる
  • 情報量が多く、詳細な説明のあるコンテンツが好まれる
  • テキスト主体のコンテンツが多い

日本のユーザー検索行動の特徴

日本のユーザーには以下のような検索行動の特徴があります。

項目 特徴 SEO対策
検索クエリ 短い単語の羅列が多い
(例:「東京 観光 おすすめ」)
キーワードの組み合わせを重視
コンテンツの好み 情報量が多く、詳細な内容を好む 充実した情報提供
図表や例示の活用
デザイン 情報が詰まったレイアウト
表や箇条書きが好まれる
情報を整理した視覚的な表現
読みやすい構造化
信頼性 公式情報や専門家の意見を重視 出典の明記
専門知識の提示

日本のSEOは情報量と信頼性が重視される傾向があります。また、独特の言語構造に対応したキーワード戦略が必要です。

海外SEOと日本SEOの実践的な違い

これまでの情報を踏まえて、実践的な違いについて詳しく見ていきましょう。

言語と文化の違い

言語と文化の違いによるSEO対策の差

①キーワード選定の違い
単純な翻訳ではなく、各国でよく使われる表現を調査する必要があります。例えば、「携帯電話」は英語では「mobile phone」(イギリス)や「cell phone」(アメリカ)、中国語では「手机」などと表現が異なります。

②文化的文脈の理解
各国の文化や習慣に合わせたコンテンツ作りが必要です。例えば、色の持つイメージや季節のイベントは国によって異なります。

③コンテンツの長さと構成
国によって好まれるコンテンツの長さや構成が異なります。例えば、日本では詳細な情報を求める傾向があるのに対し、欧米ではポイントを絞った簡潔な内容が好まれることもあります。

技術的なSEO対応の違い

各国のSEO対策では、技術的な面でも以下のような違いがあります。

  1. URLとドメイン構造:国別ドメイン(.jp、.us、.cnなど)やサブディレクトリ(example.com/jp/)の選択
  2. hreflangタグ:多言語サイトでの言語・地域設定
  3. サーバーの位置:ターゲット国に近いサーバーの選択(特に中国など)
  4. メタデータの最適化:言語ごとのタイトルやディスクリプションの設定
  5. 構造化データ:各国の検索エンジンに合わせた構造化データの実装

国によって重視される技術的要素が異なるため、ターゲット国の検索エンジンの特性を理解した上で対策を行うことが重要です。

コンテンツマーケティングの違い

地域 コンテンツの特徴 効果的なアプローチ
日本 詳細な情報
信頼性の高さ
テキスト中心
詳細な説明
権威性の提示
図表の活用
アメリカ 簡潔で分かりやすい
視覚的要素
エンターテイメント性
ポイントを絞った説明
動画やインフォグラフィック
ストーリーテリング
中国 視覚的に派手
最新トレンド重視
ソーシャル要素
画像や動画の多用
トレンドの取り入れ
SNS連携
ヨーロッパ 地域によって多様
文化的背景を重視
品質と正確性
地域別のカスタマイズ
文化的文脈の配慮
信頼性の構築

効果的な海外SEO対策の進め方

最後に、効果的な海外SEO対策の進め方について説明します。

海外SEO対策のステップ

  1. ターゲット国・地域の選定:自社の製品・サービスが最も受け入れられる市場を選ぶ
  2. 市場調査:現地の検索エンジンシェア、競合状況、ユーザー行動を調査
  3. キーワードリサーチ:現地でよく使われる検索キーワードの調査
  4. サイト構造の最適化:多言語対応のためのURL構造やhreflangの設定
  5. コンテンツ制作:ネイティブによる質の高いコンテンツ作成
  6. 技術的SEOの最適化:サーバー設定、表示速度の改善など
  7. 外部リンク獲得:現地のウェブサイトからの質の高いリンク獲得
  8. 分析と改善:効果測定と継続的な改善

海外SEO対策のポイント

海外SEOを成功させるための重要ポイント

①現地の専門家と協力する
言語や文化の違いを理解するために、現地のSEO専門家や翻訳者と協力することが効果的です。

②長期的な視点を持つ
海外SEOは即効性のある施策ではなく、長期的な取り組みが必要です。焦らず継続的に改善を行いましょう。

③ユーザー体験を最優先する
どの国でも共通して重要なのは、ユーザーにとって価値のある体験を提供することです。検索エンジンのルールよりも、まずはユーザーのニーズを満たすことを考えましょう。

まとめ:海外SEOと日本SEOの違いを理解して効果的な対策を

この記事では、海外SEOと日本SEOの違いについて解説してきました。主なポイントは以下のとおりです。

  • 各国・地域によって主要検索エンジンが異なる
  • 言語や文化の違いに合わせたコンテンツ制作が必要
  • 英語圏、中国語圏、ヨーロッパなど地域ごとに異なるSEO戦略が求められる
  • 技術的なSEO対応も国によって異なる点がある
  • 長期的な視点と現地の専門家との協力が成功の鍵

海外に向けたSEO対策は一見複雑に思えますが、基本的な考え方は日本向けのSEOと同じです。ユーザーにとって価値のある情報を提供し、検索エンジンがその価値を正確に評価できるようにサポートすることが重要です。

国や地域の違いを理解し、それぞれの特性に合わせた戦略を立てることで、グローバルなビジネス展開をサポートする効果的なSEO対策が実現できるでしょう。

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