SEOツールMOZでできることや費用などを解説

Webサイトの順位を上げるために欠かせないSEO対策。その実践に役立つツールとして、世界的に有名な「MOZ」について詳しく解説します。このツールを活用することで、効果的なSEO戦略の立案や実行が可能になります。SEO初心者の方にも分かりやすく、MOZの主要機能や料金プラン、活用方法までをご紹介していきます。

MOZとは?SEOツールの基本を知ろう

MOZは、アメリカのZiff Davis社が提供する世界的に有名なSEO(検索エンジン最適化)ツールです。2004年に開発され、SEO業界では草分け的存在として知られています。特にドメインオーソリティ(DA)という独自の指標を用いたサイト評価が特徴で、サイトの「強さ」を数値化して表示することができます。

MOZは無料版と有料版(MOZ Pro)があり、基本的な機能は無料でも利用できますが、より詳細な分析や多機能な調査を行うには有料版が必要です。SEO初心者から専門家まで、幅広いユーザーに利用されています。

MOZを使うメリット

MOZを使うメリット

①多機能なSEO分析ツール
キーワード調査、サイト監査、競合分析など、SEO対策に必要な機能を網羅しています
②直感的な操作性
初心者でも使いやすい設計で、複雑なSEO分析を簡単に行えます
③信頼性の高いデータ
20年以上のSEO専門知識に基づいた正確なデータを提供しています

MOZ Proでできること:主な機能を解説

MOZ Proには、SEO対策に必要なさまざまな機能が搭載されています。ここでは、主要な機能について詳しく解説します。

1. キーワード調査(Keyword Explorer)

Keyword Explorerは、効果的なキーワード戦略を立てるための機能です。特定のキーワードの月間検索ボリュームやSEO難易度、クリック率などの情報を提供してくれます。また、関連キーワードや類似キーワードの提案機能もあり、コンテンツ作成のアイデアを広げることができます。

さらに、AI機能を活用した「検索意図」の分析により、ユーザーがそのキーワードで何を求めているのかを理解し、より効果的なコンテンツ作成が可能になります。

機能 内容
月間検索ボリューム 特定のキーワードが月間でどれくらい検索されているかを表示
キーワード難易度 1~100の数値でキーワードの競合度を示す
オーガニッククリック率 検索結果からクリックされる割合を予測
関連キーワード提案 入力したキーワードに関連する検索語を表示
検索意図分析 キーワードに対するユーザーの目的を分析

2. サイト監査(Site Crawl)

Site Crawlは、あなたのWebサイトのSEO上の問題点を見つけ出す機能です。サイト内の技術的な問題や改善点を自動でチェックし、優先度の高い修正点を提示してくれます。例えば、404エラー、重複コンテンツ、内部リンクの問題、メタデータの問題などを検出できます。

また、On-Demand(オンデマンド)クロール機能を使えば、修正後に即時再クロールを実行し、問題が解決されたかどうかを確認することも可能です。

  • クローラーが見つけた問題をリスト表示
  • 優先度別に問題を分類
  • 修正方法の具体的なアドバイスを提供
  • 定期的なクロールによるサイト状態の監視
  • オンデマンドクロールによる即時確認

3. ランク追跡(Rank Tracker)

Rank Trackerは、あなたのサイトが検索エンジンでどのように順位付けされているかを追跡する機能です。設定したキーワードの順位変動を時系列で確認でき、SEO施策の効果測定に役立ちます。

複数の検索エンジンや地域での順位を追跡できるため、グローバルなSEO戦略を立てる際にも有用です。また、競合サイトの順位も同時に追跡できるため、競合との差を把握することも可能です。

4. 被リンク分析(Link Explorer)

Link Explorerは、被リンク(バックリンク)の分析を行うための機能です。あなたのサイトに向けられたリンクの数や質を調査できます。また、競合サイトの被リンク状況も分析できるため、効果的なリンク構築戦略の立案に役立ちます。

被リンク分析は、以下のような指標で行われます。

MOZの被リンク分析で使われる主な指標

①ドメインオーソリティ(DA)
サイト全体の強さを1~100の数値で表す指標
②ページオーソリティ(PA)
個別ページの強さを1~100の数値で表す指標
③リンクプロファイル
被リンクの質や多様性を評価する指標
④スパムスコア
リンクの品質や自然さを評価する指標

5. オンページ最適化(On-page Grader)

On-page Graderは、個別のWebページのSEO最適化状態を評価する機能です。特定のキーワードに対して、そのページがどれだけ最適化されているかをチェックし、改善点を提案してくれます。

タイトルタグ、メタディスクリプション、見出し、本文内のキーワード使用など、さまざまな要素を分析し、最適化のためのアドバイスを提供します。

MOZ無料版と有料版(MOZ Pro)の違い

MOZには無料で使える基本機能と、より高度な分析ができるMOZ Pro(有料版)があります。それぞれの特徴を比較してみましょう。

機能 無料版 MOZ Pro
キーワード調査 基本的な検索ボリューム表示(月10回まで) 詳細な分析、無制限検索、関連キーワード提案
サイト監査 利用不可 サイト全体の詳細監査、問題点の発見と改善提案
被リンク分析 基本的な分析(制限あり) 詳細な被リンク分析、競合比較
ランキング追跡 利用不可 キーワードごとのランキング変動追跡
カスタムレポート 利用不可 プランに応じたカスタムレポート作成
MozBar 基本機能のみ プレミアム機能を含む完全アクセス

無料版でも基本的なSEO分析は可能ですが、より詳細なデータや高度な分析機能を使いたい場合は、MOZ Proの導入を検討する価値があります。特に、SEOを本格的に取り組むサイトや、競合が多い業界では、MOZ Proの詳細な分析機能が強力な武器になります。

MOZ Proの料金プラン

MOZ Proには、ニーズや予算に合わせて選べる複数の料金プランが用意されています。ここでは、各プランの特徴と月額・年額料金を紹介します。(※2025年5月現在の料金です)

プラン名 月額料金 年額払い(月換算) 主な特徴
Starter $49 $39(年間$470) 50キーワード追跡、基本的なSEOツール
Standard $99 $79(年間$950) 300キーワード追跡、400,000ページのクロール
Medium $179 $143(年間$1,719) 1,500キーワード追跡、ブランドレポート
Large $299 $239(年間$2,868) 3,000キーワード追跡、高度な分析機能

年間契約にすると約20%割引になるため、長期的な利用を考えている場合は年間プランがお得です。また、必要に応じて追加オプションもあります:

  • 追加の1キャンペーン:$10/月
  • 追加の50,000ページクロール:$15/月
  • 追加の200キーワード:$20/月
  • 追加のユーザーシート:$49/月/ユーザー

MOZの代表的な指標:DAとPA

MOZの特徴的な機能の一つが、ウェブサイトの評価を数値化する独自の指標です。特にドメインオーソリティ(DA)とページオーソリティ(PA)は、SEO業界でも広く認知されています。

ドメインオーソリティ(Domain Authority/DA)

ドメインオーソリティ(DA)は、サイト全体の「強さ」を1~100の数値で表す指標です。主に被リンクの量や質に基づいて算出され、数値が高いほど検索エンジンでの評価が高いと予測されます。

DAの特徴:

  1. サイト全体の評価を表す
  2. 競合サイトとの相対的な比較に役立つ
  3. 時間の経過とともに徐々に変化する
  4. 被リンクの質や量が大きく影響する
  5. 新しいサイトは一般的に低いDAから始まる

ページオーソリティ(Page Authority/PA)

ページオーソリティ(PA)は、個別のWebページの「強さ」を1~100の数値で表す指標です。こちらもDAと同様に被リンクを中心に評価されますが、ページ単位での評価になります。

PAの特徴:

  1. 個別ページの評価を表す
  2. 同じサイト内でも、ページによって値が異なる
  3. 特定のページの競争力を評価できる
  4. そのページへの直接的な被リンクが大きく影響する
  5. 内部リンク構造も評価に影響する

これらの指標は、Googleの公式的なランキング要素ではありませんが、SEO業界では重要な参考値として広く活用されています。特に競合分析やリンク構築戦略の立案において役立ちます。

MOZを活用したSEO対策の進め方

MOZを使ってSEO対策を効果的に進めるためのステップを説明します。

1. キーワード調査から始める

まずは、Keyword Explorerを使って、ターゲットとなるキーワードを調査しましょう。自社のビジネスや提供サービスに関連するキーワードの検索ボリュームや難易度を確認し、効果的なキーワード戦略を立てましょう。

キーワード調査のポイント

①検索ボリュームと難易度のバランスを見る
検索ボリュームが高く、難易度が低いキーワードを見つける
②検索意図を理解する
ユーザーがそのキーワードで何を求めているかを分析する
③長尾キーワードを活用する
競争が少なく、コンバージョン率の高い長尾キーワードを見つける

2. サイト監査で問題点を発見する

Site Crawl機能を使って、サイト内のSEO上の問題点を洗い出しましょう。クローラーが検出した問題は優先度が示されるので、重要度の高い問題から順に修正していきましょう。

主なチェックポイント:

  • 404エラーページや壊れたリンク
  • 重複コンテンツの問題
  • インデックスの問題(noindexタグの誤使用など)
  • ページ読み込み速度の問題
  • モバイルフレンドリーの問題
  • 内部リンク構造の改善点

3. 競合分析を行う

MOZ Proの競合分析機能を使って、競合サイトのSEO戦略を分析しましょう。競合がどのようなキーワードでランキングしているか、どのようなコンテンツ戦略を取っているかを調べることで、自社の差別化ポイントを見つけられます。

4. コンテンツ最適化を進める

On-page Graderを使って、重要なページのコンテンツ最適化を進めましょう。ターゲットキーワードに対する最適化度をチェックし、タイトルや見出し、本文の改善を行います。

最適化のポイント:

  1. タイトルタグにターゲットキーワードを含める
  2. メタディスクリプションを魅力的に書く
  3. H1~H6の見出しタグを適切に使用する
  4. 本文内で自然にキーワードを使う
  5. 画像のalt属性を最適化する

5. 進捗を追跡する

Rank Tracker機能を使って、SEO対策の効果を定期的に確認しましょう。キーワードのランキング変動を追跡し、効果が出ている施策と改善が必要な施策を見極めます。

MOZと競合ツールとの比較

MOZと他の主要SEOツールを比較して、それぞれの特徴や強みを見ていきましょう。

ツール名 主な特徴 料金(月額) 強み
MOZ Pro ドメインオーソリティ、使いやすいインターフェース $49~$299 初心者にも使いやすい、データの正確性
Ahrefs 被リンク分析、コンテンツ探索機能 $99~ 被リンク分析の精度、データベースの大きさ
SEMrush 競合分析、広告分析機能 $119.95~ SEOとSEM両方に対応、多機能性
Screaming Frog 詳細なサイト監査 £209/年(無料版あり) 深い技術的分析、カスタマイズ性

MOZの最大の強みは、使いやすさとデータの正確性にあります。特にDA(ドメインオーソリティ)指標は業界でも広く認知されており、サイトの評価指標として参考にされることが多いです。また、初心者でも扱いやすい直感的なインターフェースが特徴です。

一方、他のツールと比較すると、Ahrefsは被リンク分析の精度、SEMrushはマーケティング全般に対応する多機能性、Screaming Frogは深い技術的分析が強みとなっています。用途や予算に応じて、適切なツールを選択するとよいでしょう。

まとめ:MOZを活用したSEO戦略

ここまでMOZの機能や料金、活用方法について詳しく解説してきました。最後に、MOZを活用したSEO戦略のポイントをまとめます。

MOZを最大限活用するポイント

①目的に合ったプランを選ぶ
サイト規模や必要な機能に応じて適切なプランを選択しましょう
②データに基づいた戦略を立てる
感覚や推測ではなく、MOZが提供する客観的なデータを元に戦略を立てましょう
③定期的に分析・改善する
一度の分析で終わらせず、定期的に状況を確認し、改善を続けましょう
④MOZの教育リソースを活用する
MOZが提供するブログやWhiteboard Fridayなどの教育コンテンツも活用しましょう

SEOは一朝一夕で成果が出るものではありません。MOZのようなツールを活用しながら、継続的に改善を重ねることが重要です。キーワード選定から始まり、サイト監査、競合分析、コンテンツ最適化など、MOZ Proの様々な機能を総合的に活用することで、より効果的なSEO戦略を実現できるでしょう。

初めは無料版から始めて、SEOの基本を学びながら徐々に有料版の機能も活用していくというステップアップも良い方法です。MOZを味方につけて、Webサイトのアクセス向上とビジネス成長を目指しましょう!

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