検索エンジン最適化(SEO)において、H1タグは今でも重要な要素です。しかし、そのSEOにおける位置づけや効果的な使い方について正しく理解していますか?本記事では、H1タグのSEOにおける現在の立ち位置や正しい使い方、設定時の注意点などを誰にでもわかりやすく解説します。H1タグを適切に活用して、自社サイトのSEO効果を最大化させましょう。
H1タグとは?基本的な役割と重要性
まず、H1タグの基本的な意味と役割から理解しましょう。
H1タグの定義とHTML上の位置づけ
H1タグは、HTMLの見出しタグ(hタグ)の中で最上位にあるタグです。「H」は英語の「Heading(見出し)」の略で、数字は階層の順位を表しています。つまり、H1タグは文書構造において最も重要な見出しを示すということになります。
HTML文書では、以下のように記述します:
H1タグの書き方
①HTML記述例
<h1>このページのメインタイトル</h1>
②実際の表示例
ページ上で最も大きな文字サイズで表示されることが一般的です。
titleタグとH1タグの違い
H1タグとよく混同されるものに「titleタグ」があります。この2つは似ているようで役割が異なります。
項目 | titleタグ | H1タグ |
---|---|---|
記述場所 | <head>内 | <body>内 |
表示される場所 | ブラウザのタブ、検索結果 | ページ本文の見出し |
対象者 | まだページを訪れていない検索ユーザー | 既にページを見ているユーザー |
文字数目安 | 30〜40文字 | 30〜50文字程度 |
titleタグは「検索結果で表示されるタイトル」として、H1タグは「ページの中で最も重要な見出し」として機能します。両者は役割が異なるため、それぞれの目的に応じて最適化する必要があります。
H1タグのSEOにおける現在の立ち位置
SEOにおけるH1タグの位置づけは、検索エンジンのアルゴリズムの進化とともに変化してきました。現在(2025年)のH1タグの重要性について見ていきましょう。
H1タグが持つSEO効果
H1タグが直接的な検索順位向上要因であるとは言い切れませんが、適切に設定されたH1タグは以下のような間接的なSEO効果をもたらします。
- 検索エンジンがページのテーマを理解しやすくなる
- ユーザーエクスペリエンス(UX)の向上に貢献する
- 文書の論理構造を明確化する
- アクセシビリティを向上させる
特に重要なのが、検索エンジンに対してページの主題を伝える役割です。これによりGoogleのクローラーはそのページが何について書かれているかを正確に理解できるようになります。
検索エンジンの理解度向上への貢献
H1タグはGoogleのようなクローラーにとって、ページの主題を把握する重要なヒントとなります。適切なキーワードを含んだH1タグを設定することで、対象のキーワードに関する検索クエリに対してページが表示されやすくなります。
例えば、「中学生向け英語学習法」というH1タグを設定したページは、「中学生 英語 勉強方法」などの検索クエリに対して、内容が一致していれば評価される可能性が高まります。
ユーザー体験の観点からの重要性
SEOはただ検索順位を上げるだけが目的ではありません。ユーザーに価値ある情報を届けることが最終的な目標です。この点においても、H1タグは重要な役割を果たします。
H1タグとユーザー体験
①最初の印象形成
ユーザーがページを開いた瞬間、H1タグが目に入ることで内容を瞬時に理解できます
②情報の期待値形成
H1タグがページ内容と一致していれば、ユーザーは必要な情報を得られる期待感が高まります
ユーザーがページの内容をすぐに理解でき、必要な情報にスムーズにアクセスできることで、滞在時間の増加やページ離脱率の低下につながります。これらの指標はGoogleがサイトの質を評価する重要な要素となっています。
効果的なH1タグの使い方
H1タグの重要性を理解したところで、具体的にどのように使うべきか、効果的な使い方を解説します。
H1タグに含めるべき要素
効果的なH1タグを作成するためには、以下の要素を意識しましょう:
- ターゲットキーワードを自然な形で含める
- ページの内容を簡潔に要約する
- ユーザーの興味を引くような表現を使う
- 読みやすくわかりやすい言葉で表現する
- 検索意図に合致した内容にする
特に重要なのは、狙いたいキーワードを自然な形でH1タグに含めることです。しかし、キーワードの詰め込みすぎは逆効果になるので注意が必要です。
良い例 | 悪い例 |
---|---|
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1ページ1つのH1タグ原則
一つのページには一つのH1タグを使用するのが基本原則です。複数のH1タグを使用すると、ページの主題が分散し、検索エンジンとユーザーの両方に混乱を招く可能性があります。
HTMLの文書構造から考えると、H1タグはページの最上位の見出しとして機能するため、一つのページに複数の「最上位見出し」があるというのは論理的に矛盾します。書籍で例えると、1冊の本に複数の「タイトル」があるようなものです。
H1タグを複数使うべきではない理由
①検索エンジンの混乱
複数のH1タグがあると、ページの主題が不明確になります
②ユーザーの混乱
「最も重要な見出し」が複数あると、何がメインテーマなのか分かりづらくなります
ただし、HTML5では技術的には1ページに複数のH1タグを設置することは可能になりました。しかし、SEOの観点からは依然として1ページ1H1が推奨されています。
見出しの階層構造の適切な使用
H1タグを頂点とした見出しの階層構造は、論理的なコンテンツ構成のために非常に重要です。H1→H2→H3と順番に使用し、階層をスキップせずに使うことで、検索エンジンとユーザーの両方がコンテンツ構造を理解しやすくなります。
見出し階層の適切な使い方
①理想的な階層構造
・H1:ページの主題
・H2:主要セクション
・H3:H2の下位項目
・H4:H3の下位項目
②避けるべき階層構造
・H1の後にいきなりH3を使用
・同じ階層レベルで内容の重要度に差がある
・階層に一貫性がない
この階層構造は本の「タイトル→章→節→項」のような関係に似ており、文書の論理的な構造化に役立ちます。
H1タグ設定時の注意点
H1タグを設定する際には、以下の点に注意しましょう。
適切な文字数と読みやすさ
H1タグには厳密な文字数制限はありませんが、一般的に30~50文字程度に収めるのが望ましいとされています。長すぎると読みづらくなり、キーワードの重要度も薄まってしまいます。
また、読みやすさの観点からは以下の点に注意しましょう:
- 簡潔で分かりやすい表現を使う
- 専門用語や難しい言葉を避ける
- 必要に応じて数字を使って具体性を持たせる(例:「7つの方法」)
- 疑問形や「〜とは?」などの形式も効果的
キーワードの適切な配置
H1タグ内のキーワード配置も重要です。検索エンジンは一般的に文章の前方に配置されたキーワードを重視する傾向があります。そのため、重要なキーワードはなるべくH1タグの前方に配置するのが効果的です。
効果的な配置 | あまり効果的でない配置 |
---|---|
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ただし、自然な日本語として不自然にならないように気をつける必要があります。無理にキーワードを前方に詰め込むと、読みにくい文章になってしまいます。
キーワードの詰め込みを避ける
H1タグにキーワードを詰め込むことは、SEO対策として大きなリスクを伴います。むしろ検索順位の低下を招く可能性が高いので、自然な文章作成を心がけてください。
Googleのアルゴリズムは進化し続けており、不自然なキーワードの使用やSEO対策のためだけのコンテンツは厳しく評価されるようになっています。キーワードを詰め込むよりも、ユーザーが求める情報に焦点を当てた自然な文章を心がけましょう。
画像をH1タグに使用する場合の注意
デザイン上の理由などで画像をH1タグの中に入れる場合は、必ずalt属性にH1タグと同等の意味を持つテキストを設定しましょう。検索エンジンは画像そのものの内容を読み取ることができないため、alt属性を通じて内容を理解することになります。
画像をH1タグに使う場合の注意点
①alt属性の適切な設定
<h1><img src=”image.jpg” alt=”SEO対策の基本と実践方法”></h1>
②望ましくない使用例
<h1><img src=”image.jpg” alt=”ロゴ”></h1>(内容を説明していない)
しかし、できるだけテキストでH1タグを設定する方が、検索エンジンにもユーザーにも理解されやすいことを覚えておきましょう。
よくあるH1タグの設定ミス
最後に、よくあるH1タグの設定ミスと、その対処法を紹介します。
ロゴをH1タグに設定する
多くのWebサイトで見られるのが、サイトのロゴをH1タグとして設定するケースです。特にトップページ以外のページでこれを行うと、全てのページで同じH1タグになってしまうため、各ページの固有のテーマが検索エンジンに正しく伝わらなくなります。
ページ種類 | 望ましくないH1 | 望ましいH1 |
---|---|---|
トップページ | 会社名・サイト名 | サイトの主要テーマ・キャッチコピー |
製品ページ | 会社名・サイト名 | 製品名と主な特徴 |
ブログ記事 | 会社名・サイト名 | 記事のタイトル |
特に記事コンテンツでは、その記事の内容を端的に表すタイトルをH1タグに設定すべきです。
H1タグを省略または非表示にする
デザイン上の都合でH1タグを省略したり、CSSで非表示にするケースもあります。しかし、H1タグはSEOの観点だけでなく、アクセシビリティの観点からも重要な要素です。できるだけデザインとSEOの両立を図り、H1タグを適切に表示させるようにしましょう。
もしデザイン的な理由でH1タグの外観を調整したい場合は、非表示にするのではなく、CSSでスタイリングすることをおすすめします。
同じH1タグをページ間で使い回す
複数のページで同じH1タグを使用することは避けるべきです。各ページには固有のテーマがあり、それを反映したユニークなH1タグを設定することで、検索エンジンがページの違いを理解しやすくなります。
例えば「SEOとは?」というページと「SEO対策の方法」というページがあれば、それぞれのページに適したH1タグを設定すべきです。両方のページで「SEOについて」というH1タグを使用するのは避けましょう。
まとめ:H1タグは依然としてSEOの重要要素
最後に、これまでの内容を整理しておきましょう。
ポイント | 概要 |
---|---|
H1タグの役割 | ページの主題を明確に伝える最上位の見出し |
SEO効果 | 直接的な順位要因ではないが、間接的に重要な影響を持つ |
基本原則 | 1ページ1H1、適切なキーワードを含む、読みやすさ重視 |
避けるべき行為 | キーワードの詰め込み、複数のH1使用、ページ間の使い回し |
H1タグは検索エンジンアルゴリズムの進化を経ても、依然としてSEOにおける重要な要素であり続けています。適切に設定されたH1タグは、検索エンジンがページの主題を理解する手助けになるとともに、ユーザーエクスペリエンスの向上にも貢献します。
SEO対策においては、単一の要素だけで劇的な効果を期待するのではなく、H1タグを含めた総合的な最適化が重要です。ユーザーにとって価値あるコンテンツを提供することを最優先に、その内容を適切に伝えるためのH1タグを設定しましょう。
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