SEO評価を損なわない重複コンテンツの取り扱いの仕方


SEOの評価を高めるためには、重複コンテンツの問題に適切に対応することが重要です。
ウェブサイトの内容が複数のURLで同じように表示されると、検索エンジンが混乱してしまい、せっかくの良いコンテンツが正しく評価されないことがあります。

この記事では、重複コンテンツとは何か、SEOにどのような影響があるのか、そして効果的な対策方法をマーケティングの知識がなくてもわかりやすく解説します。

重複コンテンツとは?基本的な理解

重複コンテンツとは、同じ内容またはほとんど同じ内容が、異なるURLで表示されている状態のことを指します。例えば、あなたのサイトで同じ記事が2つの異なるアドレス(URLパスやパラメータが異なる)で表示されていたり、別のサイトにコピーされていたりする場合などです。

内部重複コンテンツと外部重複コンテンツ

重複コンテンツには大きく分けて2種類あります。

内部重複コンテンツ 自分のサイト内で同じ内容が複数のURLで表示されている状態。たとえば、以下のようなURLが同じ内容を表示する場合:
– https://example.com/page
– https://example.com/page/
– https://www.example.com/page
– https://example.com/page?id=123
外部重複コンテンツ 他のウェブサイトにあなたのサイトと同じ内容が存在する状態。許可を得た転載や無断コピー、商品説明文の使いまわしなどが該当します。

重複コンテンツは、必ずしも意図的に作られるものではありません。多くの場合、サイト構造やシステムの仕様によって自然と発生してしまうものです。

よくある重複コンテンツの発生原因

①技術的要因
・URLの構造(www有無、httpsとhttpの混在など)
・セッションIDやトラッキングパラメータの付与
・印刷用ページやモバイル版のページの生成

②コンテンツ要因
・商品説明をそのまま使いまわし
・カテゴリーページとタグページの重複
・他サイトからのコンテンツのコピー

重複コンテンツがSEOに与える影響

重複コンテンツが存在すると、検索エンジンは次のような問題に直面します。

1. 検索結果表示の混乱

Googleは同じ内容が複数のURLにある場合、どのURLを検索結果に表示すべきか判断に迷います。その結果、あなたが意図していないURLが選ばれたり、重要なページが表示されなくなったりすることがあります。

2. 被リンク評価の分散

他のサイトからリンクを受けることはSEOにとって重要ですが、同じコンテンツが複数のURLにあると、リンクの評価が分散してしまいます。本来1つのURLに集中すべき評価が複数に分かれ、効果が薄まるのです。

3. クロール効率の低下

Googleのクローラー(ロボット)は、サイトの内容を巡回して情報を収集します。同じ内容を持つページが多数あると、クローラーはそれらを無駄に巡回することになり、効率が悪くなります。その結果、サイト全体のSEOパフォーマンスに悪影響が出るかもしれません。

注意点: 重複コンテンツがあるからといって、必ずしもGoogleからペナルティを受けるわけではありません。しかし、ユーザーにとって最適なページを提供するため、Googleは重複を避けるように推奨しています。

重複コンテンツを見つける方法

Google Search Consoleを使った確認

Google Search Consoleは無料で使えるツールで、サイトの重複問題を特定するのに役立ちます。

  1. Search Consoleにログインする
  2. 「索引」→「ページ」を選択
  3. 「重複しているページがあり、正規のURLが指定されていません」という警告がないか確認する
  4. 「HTMLの改善」セクションで重複するタイトルやメタデータを確認する

その他のチェック方法

  • サイト内検索を利用して同じフレーズを検索してみる
  • Google検索で「site:あなたのドメイン名 “特定のフレーズ”」と検索する
  • 重複コンテンツチェックツールを使用する(Copyscape、Sitelinerなど)

重複コンテンツの対策方法

重複コンテンツを効果的に対処するには、以下の方法が有効です。

1. canonicalタグの設定

canonicalタグは、重複コンテンツの問題に対処するための最も一般的な方法です。このタグを使用することで、複数のURLがあっても、どれが「正規」のURLであるかをGoogleに伝えることができます。

canonicalタグの設定例

①HTMLのhead部分に追加

<link rel="canonical" href="https://example.com/正規ページのURL" />

②複数URLが存在するすべてのページに設定
例えば、次のURLすべてに同じcanonicalを設定します:
– https://example.com/product
– https://www.example.com/product
– https://example.com/product?color=red

2. 301リダイレクトの設定

古いページや重複ページから正規のページへ301リダイレクト(永続的な転送)を設定することで、ユーザーとGoogleの両方を正しいURLに誘導できます。

  • 非WWWからWWWへ(またはその逆)のリダイレクト
  • HTTPからHTTPSへのリダイレクト
  • 末尾スラッシュありなしの統一

3. URLパラメータの管理

Google Search Consoleの「URL パラメータ」ツールを使用して、検索エンジンにクロールしないでほしいURLパラメータを指定できます。例えば、ソート順やフィルター用のパラメータなどです。

4. コンテンツの統合または差別化

類似した内容の複数ページがある場合は、次の選択肢を検討しましょう:

統合 複数の似たコンテンツを1つの包括的なページに統合する
差別化 各ページに固有の情報や価値を追加して、内容を差別化する
削除 不要なページは削除し、重要なページにリダイレクトする

5. noindexタグの使用

重複コンテンツをインデックスから除外するには、noindexメタタグを使用する方法もあります。これはGoogleに「このページはインデックスしないでください」と伝えるものです。

<meta name="robots" content="noindex" />

ただし、この方法は慎重に使用すべきです。重要なページにnoindexを設定すると、検索結果に表示されなくなります。

よくある重複コンテンツのパターンと対策例

ECサイト特有の問題と対策

ECサイトでは、同じ商品が複数のカテゴリに属していたり、商品バリエーションごとにURLが変わったりすることがあります。

問題パターン 対策方法
商品説明文が複数カテゴリで同じ メインの商品ページにcanonicalタグを設定し、各カテゴリからはそこへリンクする
商品のバリエーションごとに別URL 基本となる商品ページをcanonicalとし、色やサイズ違いはパラメータで区別する
同じ商品が異なるURLで表示される 301リダイレクトで一つのURLに統一する

ブログサイトの重複コンテンツ対策

ブログでは、カテゴリーページやタグページ、アーカイブページなどで記事の内容が重複することがあります。

  • カテゴリ・タグページ:アーカイブページやタグページにはnoindexを設定するか、canonicalタグで記事本文へ誘導
  • ページネーション:rel=”next”とrel=”prev”を使用して関連ページであることを示す
  • プリントビュー:印刷用ページにはnoindexを設定する

重複コンテンツ対策のチェックリスト

サイト全体を効果的に管理するための重複コンテンツ対策チェックリストです。

  1. Google Search Consoleで重複コンテンツの警告をチェック
  2. WWWとnon-WWW、HTTPとHTTPSの統一(リダイレクト設定)
  3. 重要なページへのcanonicalタグの適切な設定
  4. URLパラメータの管理設定
  5. 内部リンクの一貫性確保(サイト内では常に同じURLを参照)
  6. アーカイブページやフィルターページへのnoindex設定検討
  7. 商品説明文や記事の独自性確保
  8. 定期的な重複コンテンツチェックの実施

重要なポイント: 正規化の一貫性

①URL形式を統一する
サイト全体で一貫したURL形式を使用しましょう。例えば:
– WWWを使用するか使用しないか
– HTTPSに統一する
– URL末尾のスラッシュ(/)の有無を統一する

②内部リンクの一貫性
サイト内のリンクは常に正規URLを指すようにしましょう。異なる形式のURLを混在させないことが重要です。

他サイトとの重複コンテンツの対応

自分のサイトのコンテンツが他のサイトにコピーされている場合は、次の方法で対応できます。

  • まずはサイト運営者に削除や引用元の明記を依頼する
  • コンテンツを定期的に更新して、オリジナルコンテンツとして認識されやすくする
  • Googleに対してDMCA(デジタルミレニアム著作権法)に基づく削除リクエストを送信
  • 大規模なコピーが続く場合は、法的措置を検討

コンテンツの配信先との連携方法として、他のサイトに自分のコンテンツを意図的に掲載してもらう場合(シンジケーションなど)は、掲載先にcanonicalタグでオリジナルサイトを指定してもらうように依頼しましょう。

まとめ:効果的な重複コンテンツ対策と持続的なSEO改善

重複コンテンツ対策は、一度だけ行えば終わりというわけではありません。サイトの成長とともに継続的に取り組むべき課題です。

  • 重複コンテンツは必ずしも悪意があるわけではないが、SEOパフォーマンスには悪影響を及ぼす
  • canonicalタグと301リダイレクトが最も効果的な技術的解決策
  • オリジナルで価値のあるコンテンツを作成することが根本的な対策
  • 定期的なサイト監査で新たな重複問題を早期発見することが重要

適切な重複コンテンツ対策を実施することで、検索エンジンからの評価が高まり、結果としてより多くのユーザーにあなたのコンテンツが届くようになります。SEO対策のひとつとして、重複コンテンツの管理を忘れずに行いましょう。

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