リスティング広告のキーワード選定は、広告の成功に大きく影響する重要な要素です。特に「掛け合わせキーワード」を上手に活用することで、より具体的なニーズを持つユーザーに広告を届け、効率的に成果を上げることができます。
この記事では、リスティング広告における掛け合わせキーワードの基本から実践的な選定方法、注意点までを分かりやすく解説します。
リスティング広告とは何か
リスティング広告とは、ユーザーが検索エンジン(GoogleやYahoo!など)で特定のキーワードを検索した時に表示される広告のことです。検索結果の上部や下部に「広告」というラベル付きで表示されるため、ユーザーの検索意図に合った情報を届けることができます。
リスティング広告はユーザーが「能動的に検索したキーワード」に連動して表示されるため、ユーザーの購買意欲が高いタイミングでアプローチできる広告手法です。
掛け合わせキーワードとは
掛け合わせキーワードとは、複数の単語を組み合わせて作るキーワードのことです。例えば「スニーカー」という単語だけでなく、「スニーカー 白 メンズ」のように複数の単語を組み合わせることで、より具体的な検索意図を持つユーザーにアプローチできます。
掛け合わせキーワードの重要性
掛け合わせキーワードには次のようなメリットがあります:
- より具体的なニーズを持つユーザーにアプローチできる
- 競合が少なく、クリック単価が安くなる傾向がある
- コンバージョン(購入や問い合わせなど)につながりやすい
- 広告費用対効果(ROAS)が高くなる可能性が高い
掛け合わせキーワードの選定方法
効果的な掛け合わせキーワードを選定するには、以下のステップを踏むことが大切です。
ステップ1:軸となるキーワードを選ぶ
まずは「軸キーワード」を決めましょう。これは商品やサービスの中心となる単語です。例えば、スニーカーを販売する場合は「スニーカー」「運動靴」「シューズ」などが軸キーワードになります。
商品・サービス | 軸キーワードの例 |
---|---|
英会話スクール | 英会話、英語学習、英語教室 |
脱毛サロン | 脱毛、ムダ毛処理、美容脱毛 |
転職サービス | 転職、求人、キャリアチェンジ |
ステップ2:掛け合わせるキーワードをリストアップする
次に、軸キーワードと組み合わせる「サブキーワード」をリストアップします。サブキーワードは以下のような種類があります:
- 特徴や機能:「防水」「軽量」「高音質」など
- 価格帯:「安い」「格安」「高級」「〇〇円以下」など
- 対象者:「メンズ」「レディース」「子供用」「初心者向け」など
- 地域:「東京」「新宿」「渋谷」など
- 時期・季節:「夏用」「冬」「2024年」など
- 目的:「ダイエット」「就職」「結婚式」など
例えば、脱毛サロンの場合、以下のような掛け合わせキーワードが考えられます:
軸キーワード | サブキーワード | 掛け合わせキーワード |
---|---|---|
脱毛 | 全身 | 全身脱毛 |
安い | 脱毛 安い | |
渋谷 | 渋谷 脱毛 | |
学割 | 脱毛 学割 | |
男性 | 男性 脱毛 |
ステップ3:検索ボリュームを調査する
リストアップした掛け合わせキーワードの検索ボリューム(月間検索回数)を調査します。検索ボリュームが多すぎても少なすぎても効果が出にくいため、適切な検索ボリュームのキーワードを選定することが重要です。
検索ボリュームの調査には以下のツールが役立ちます:
- Googleキーワードプランナー:無料で使える公式ツール。正確な検索ボリュームと競合性を確認できます。
- ラッコキーワード:サジェストキーワードを一括取得できる無料ツール。
- Ubersuggest:関連キーワードや検索ボリュームが分かる無料ツール。
ステップ4:キーワードを絞り込む
リストアップしたキーワードの中から、以下の基準で優先順位をつけて絞り込みます:
- コンバージョンに近いと思われるキーワード
- 検索ボリュームが適切なキーワード
- 競合が少なく、クリック単価が安いキーワード
- ビジネスの強みを活かせるキーワード
検索ボリュームが多くても、コンバージョンに結びつきにくいキーワードは優先度を下げることが重要です。例えば「無料」というサブキーワードは検索数が多くても、実際の購入につながりにくい場合があります。
掛け合わせキーワードのマッチタイプについて
リスティング広告では、キーワードのマッチタイプを設定することで、どのような検索クエリに対して広告を表示するかを制御できます。主なマッチタイプは以下の通りです:
マッチタイプ | 説明 | 例 |
---|---|---|
完全一致 | 指定したキーワードと同じ意味や意図の検索語句に広告を表示 | [スニーカー 白] |
フレーズ一致 | 指定したキーワードを含む検索語句に広告を表示 | “スニーカー 白” |
インテントマッチ | キーワードと関連性のある検索語句に広告を表示 | スニーカー 白 |
初めてリスティング広告を設定する場合は、フレーズ一致でスタートし、データを見ながら調整することをおすすめします。
掛け合わせキーワード選定の注意点
1. 除外キーワードを設定する
関連性のない検索に広告が表示されないよう、除外キーワードを設定しましょう。例えば、新品のスニーカーを販売している場合は「中古」「リサイクル」などを除外キーワードに設定します。
- 自社の取り扱いがない商品に関連するキーワード
- コンバージョンに結びつきにくいキーワード(「無料」「方法」など)
- 競合他社の固有名詞(商標に注意)
2. クリック単価を考慮する
キーワードによってクリック単価は大きく異なります。予算に合わせたキーワード選定を心がけましょう。高単価のキーワードでも成果に結びつきやすければ投資価値はありますが、予算を圧迫する可能性も考慮する必要があります。
3. 同じ意図のキーワードを重複して設定しない
「スニーカー 白」と「白 スニーカー」のように同じ意図のキーワードを重複して設定すると、自社の広告同士で競合してしまい効率が悪くなります。同じ意図のキーワードはまとめて管理しましょう。
4. 定期的に検索クエリレポートを確認する
実際にどのような検索語句で広告が表示されているかを「検索クエリレポート」で定期的に確認し、新たなキーワードの追加や除外キーワードの設定を行いましょう。
効果的な掛け合わせキーワード選定のためのツール
掛け合わせキーワードを効率的に選定するために、以下のツールが役立ちます:
ツール名 | 特徴 | 用途 |
---|---|---|
Googleキーワードプランナー | 検索ボリューム、競合性、クリック単価の予測を確認できる | キーワードの基本データ収集 |
ラッコキーワード | サジェストキーワードを一括取得できる | サブキーワードの発見 |
Google Search Console | 自サイトに実際に流入している検索キーワードがわかる | 効果的なキーワードの発見 |
KARABINER | キーワードの掛け合わせを自動で生成できる | 掛け合わせキーワードの一括生成 |
ahrefs | 競合サイトのキーワード分析ができる | 競合分析 |
掛け合わせキーワードの実践例
具体的な掛け合わせキーワードの例を業種別に見てみましょう:
英会話スクールの場合
- 英会話 初心者
- 英会話 オンライン 格安
- 英会話 ビジネス 短期間
- 英会話 新宿 マンツーマン
- 英会話 TOEIC 対策
脱毛サロンの場合
- 脱毛 全身 安い
- 脱毛 渋谷 評判
- 脱毛 学生 割引
- 脱毛 VIO 痛くない
- 脱毛 医療 永久
家具販売店の場合
- ソファ 北欧 3人掛け
- ダイニングテーブル 木製 安い
- ベッド シングル 収納付き
- テレビ台 コーナー 白
- デスク 在宅勤務 おしゃれ
サブキーワードを3つ以上組み合わせると検索ボリュームが極端に少なくなりがちです。通常は軸キーワード+サブキーワード1~2個の組み合わせがバランス良く効果を発揮します。
まとめ:掛け合わせキーワード選定のポイント
リスティング広告の掛け合わせキーワード選定のポイントをまとめます:
- 軸キーワードとサブキーワードを明確に分ける
- ユーザーの検索意図を考えてキーワードを組み合わせる
- 検索ボリュームと競合性のバランスを見る
- コンバージョンに近いキーワードを優先する
- 除外キーワードを適切に設定する
- マッチタイプを使い分ける
- 定期的に検索クエリレポートを確認して調整する
掛け合わせキーワードは、リスティング広告の効果を大きく左右する重要な要素です。この記事で紹介した方法を実践し、自社のビジネスに最適なキーワード選定を行ってください。
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