リスティング広告は、検索エンジンの検索結果ページに表示されるテキストや画像付きの広告を指し、検索ユーザーの行動意図に応じて広告を表示できるのが大きな特徴です。効果的なWeb広告手法として多くの企業に活用されていますが、どの媒体に広告を出稿するかは成果に大きく影響します。本記事では、リスティング広告を出稿できる全媒体とその特徴、違いを分かりやすく解説します。
リスティング広告とは?基本から理解する
リスティング広告とは、検索エンジンでユーザーが検索したキーワードに連動して表示される広告のことです。「検索連動型広告」とも呼ばれ、ユーザーの検索意図に合わせて広告を表示できるため、高い広告効果が期待できます。
リスティング広告は、ユーザーが何かを探している瞬間にアプローチできる点が最大の強みです。検索意図に基づいたターゲティングが可能なため、高い広告効果が期待できます。
リスティング広告の種類
リスティング広告には、主に以下の4つの種類があります。
広告の種類 | 特徴 | 適しているケース |
---|---|---|
検索広告 | 検索キーワードに連動して表示されるテキスト広告 | 特定のキーワードで購買意欲の高い顕在層を狙いたい場合 |
ショッピング広告 | 商品画像・価格・店舗情報などが表示される広告 | ECサイトや物販系商材で商品単位の訴求をしたい場合 |
動的検索広告(DSA) | 指定キーワードではなく、サイトのコンテンツをもとに自動で広告を表示 | キーワード網羅が難しい大規模サイトや新規商品が多い商材 |
リマーケティング | 過去にサイトに訪問したユーザーに対し、検索時に広告を表示 | 一度接触した見込み顧客に絞って効率的にCVを獲得したい場合 |
主要なリスティング広告媒体3選
リスティング広告を出稿できる主な媒体は、「Google広告」「Yahoo!広告」「Microsoft広告」の3つです。それぞれの媒体には独自の特徴があり、ターゲットユーザー層や広告の運用方法が異なります。
Google広告
世界最大のシェアを誇る検索エンジンGoogleでのリスティング広告。多様なユーザー層にリーチでき、AI機能が充実している。
Yahoo!広告
日本国内で人気の検索エンジンYahoo!でのリスティング広告。40代以上のユーザーに強く、国内市場に特化している。
Microsoft広告
Bing検索エンジンでのリスティング広告。PC利用者やビジネスパーソンに強く、BtoB商材と相性が良い。
Google広告の特徴と強み・弱み
Google広告は、世界最大の検索エンジンであるGoogleを利用した広告プラットフォームです。検索エンジン市場において圧倒的なシェアを誇り、多くのユーザーが日常的に利用しています。
強み
- 検索エンジンのシェアの大部分を占め、広範なユーザーにリーチできる
- AIによる自動化が優秀で、効率的にパフォーマンス向上しやすい
- 豊富なターゲティングオプションで目的に応じたカスタマイズが可能
- YouTubeなどのプラットフォームとの連携が容易
弱み
- 競合が多くクリック単価(CPC)が高くなりがち
- 成熟市場では短期でのパフォーマンス改善が難しいケースも
- 運用に専門的な知識が求められることがある
Yahoo!広告の特徴と強み・弱み
Yahoo!広告は、日本国内で高い人気を誇るYahoo! JAPANの検索エンジンを利用した広告プラットフォームです。月間アクティブユーザー数が8,000万人を超える規模を持っています。
強み
- 日本国内の検索エンジン市場でGoogleに次ぐシェアを持つ
- 40代以上の年齢層に強い(Yahoo!ユーザーの66%が40代以上)
- 管理画面のUIが直感的で初心者でも扱いやすい
- LINE広告との連携が可能で横断的な広告展開ができる
弱み
- Google広告ほどの機能や精度はなく、自動化面でやや劣る
- 若年層へのリーチはGoogleより限定的
- 検索広告で設定できるターゲティングが限られる
Microsoft広告の特徴と強み・弱み
Microsoft広告は、Bing検索エンジンを利用した広告プラットフォームです。2022年5月に日本でリリースされた比較的新しい広告媒体で、特にPCユーザーにリーチしやすい特徴があります。
強み
- PCでのシェアはYahoo!を上回り、デスクトップユーザーにリーチしやすい
- 競合が少なくCPCが低い傾向にあり、コスト効率が良い
- BtoB領域やエンタープライズ企業向けの広告効果が高い
- 会社名、業界、職種などのビジネスターゲティングが可能
弱み
- 全体の検索シェアが小さく、リーチできる総ユーザー数が限られる
- 自動化機能やAIの精度がGoogleやYahoo!より発展途上
- スマートフォンでの利用率が非常に低い(0.3%程度)
主要3媒体の比較
各媒体のユーザー数、特徴、費用感などを比較した表です。
媒体 | 検索シェア(PC) | 検索シェア(スマホ) | ユーザー特性 | クリック単価の傾向 | おすすめの商材 |
---|---|---|---|---|---|
Google広告 | 75.7% | 75.2% | 幅広い年齢層、特に若年層に強い | 高め | 幅広い商材、BtoC商材 |
Yahoo!広告 | 14.2% | 24.2% | 40代以上のユーザーが多い | 中程度 | シニア向け商材、金融、不動産 |
Microsoft広告 | 9.6% | 0.3% | ビジネスパーソンが多い | 低め | BtoB商材、法人向けサービス |
※検索エンジンシェアは2022年時点の情報に基づく
リスティング広告媒体の選び方
リスティング広告を配信する際、どの媒体を選ぶかは成果に大きく影響します。自社のターゲット層や予算、商材の特性に合わせて最適な媒体を選ぶことが重要です。
予算や目的に応じた媒体選択
基本的には、ユーザー数の多さや機械学習の精度の高さを基準に、まずはGoogle広告から配信を開始するのがオススメです。Google広告は世界的にトップシェアを誇り、多くのユーザーにリーチできるため、最初に配信を開始するには最適な選択肢となります。
予算や目的に応じた媒体選択のポイントは以下の通りです。
- 予算が限られている場合: まずはGoogle広告から始め、効果を見ながら他媒体に広げる
- コスト効率を重視する場合: Microsoft広告はCPCが低く、少ない予算でも効果を出しやすい
- 認知拡大が目的の場合: ユーザー数の多いGoogle広告やYahoo!広告が効果的
- コンバージョン獲得に特化したい場合: 検索意図が明確なユーザーに届くGoogle広告が効果的
ターゲット層に合わせた選び方
ターゲットとするユーザー層に応じた媒体選択も重要です。各媒体にはそれぞれ特徴的なユーザー層があります。
- 幅広いターゲット層(20代〜40代)を狙いたい場合: Google広告がおすすめです。特に若年層を含む幅広いユーザー層にリーチできます。
- 40代以上のミドル・シニア層が対象の場合: Yahoo!広告がおすすめです。Yahoo!は40代以上のユーザー比率が高く、シニア層へのアプローチに効果的です。
- ビジネスパーソンがターゲットの場合: Microsoft広告がおすすめです。特にPC利用率の高いビジネスパーソンやデスクトップユーザーに強みがあります。
- BtoB商材を扱っている場合: Microsoft広告は特に企業や法人向けの商材に強みを持っています。
媒体選定のまとめ
Google広告がおすすめな場合
- 幅広いターゲット層を狙いたい
- 商材がB2C向け
- 効率的にコンバージョンを獲得したい
Yahoo!広告がおすすめな場合
- 日本国内のユーザーがターゲット
- 40代以上のターゲット層を狙いたい
- 広告の競争が少ない場合
Microsoft広告がおすすめな場合
- Bingユーザーをターゲットにしたい
- BtoB商材を扱っている
- コストパフォーマンスを重視したい
リスティング広告とSNS広告の違い
Web広告には様々な種類がありますが、特にリスティング広告とSNS広告は目的やアプローチ方法が大きく異なります。それぞれの特徴を理解して、適切な広告戦略を立てましょう。
リスティング広告の特徴
ユーザーが検索して初めて広告が表示される『プル型』広告です。既に商品やサービスに関心を持っているユーザーにアプローチできるため、購入に繋がりやすい特長があります。
ただし、商品の存在を知らないユーザーにはリーチできないという制約があります。
- 検索意図が明確な顕在顧客に効果的
- 購入意欲の高いユーザーにアプローチできる
- コンバージョン率が比較的高い
- 商品を知らないユーザーにはアプローチできない
SNS広告の特徴
興味を持ちそうなユーザーをターゲット指定して配信できるため、商品の存在を知らない『潜在顧客』にもリーチ可能です。認知拡大やブランディングにも適しています。
Facebook、Instagram、X(旧Twitter)、LINE、TikTokなど多様なプラットフォームがあります。
- 潜在顧客へのアプローチが可能
- 詳細なターゲティングができる
- 認知拡大やブランディングに効果的
- 検索意図のないユーザーも対象のため、コンバージョン率はリスティング広告より低い傾向
比較ポイント | リスティング広告 | SNS広告 |
---|---|---|
広告の表示タイミング | ユーザーが検索したとき | SNSを閲覧しているとき |
ターゲット層 | 検索意図のある顕在層 | 属性や興味関心で絞った潜在層 |
主な目的 | コンバージョン獲得 | 認知拡大、エンゲージメント |
広告フォーマット | 主にテキスト(一部画像あり) | 画像、動画、カルーセルなど多様 |
コンバージョン率 | 比較的高い | 比較的低い |
主な媒体 | Google、Yahoo!、Microsoft | Facebook、Instagram、X、LINE、TikTok |
活用シーンの違い
リスティング広告とSNS広告は、それぞれ異なる活用シーンに適しています。目的に応じて使い分けるか、両方を組み合わせて活用するのが効果的です。
- リスティング広告が適しているシーン:
- 商品・サービスの認知度が既に高い
- 即時のコンバージョン獲得を目指している
- 検索されやすいキーワードが明確にある
- 購入検討者を獲得したい
- SNS広告が適しているシーン:
- 新商品やサービスの認知拡大を図りたい
- 特定の属性や興味関心を持つ層にアプローチしたい
- 視覚的なアピールが商材の強み
- 長期的なブランディングを目指している
リスティング広告とSNS広告は相互補完的な関係にあります。例えば、SNS広告で認知を広げた後、ユーザーが検索する際にリスティング広告でアプローチするといった組み合わせが効果的です。自社の目的やターゲットに合わせて、最適な広告戦略を構築しましょう。
最新動向と今後の展望
リスティング広告市場は常に進化しており、最新の動向を把握することが成功の鍵となります。ここでは2025年現在の最新動向と今後の展望について解説します。
AIによる自動最適化の進化
特にGoogle広告では、AIを活用した自動運用がさらに進化しています。パフォーマンスの高い広告文を自動生成する「レスポンシブ検索広告(RSA)」や、AIが入札価格を最適化する「スマート入札」などの機能が主流となっています。
今後はさらにAI技術の進化により、よりパーソナライズされた広告表示や、ユーザーの検索意図をより正確に把握した広告配信が実現するでしょう。
ショッピング広告のシステム刷新
Yahoo!広告では2025年秋頃に検索連動型ショッピング広告の配信システムが刷新される予定です。より精度の高い広告配信の実現と機能拡充が目的です。
また、Google広告では「パフォーマンスMAX」キャンペーンが進化し、ショッピング広告と検索広告を統合的に運用できるようになっています。
新しい広告フォーマットの登場
Microsoft広告では、検索結果ページ内に画像付きで広告を表示できる「マルチメディア広告」がリリースされています。今後もより視覚的でインタラクティブな広告フォーマットが増えていくと予想されます。
プライバシー保護への対応
ブラウザのCookie規制強化などプライバシー保護の動きが加速する中、各プラットフォームはCookieに依存しない広告配信の仕組みを模索しています。例えばYahoo!広告では新しい計測タグとコンバージョンAPIの提供が始まっています。
最新の動向を把握し、新機能や最適化手法を積極的に取り入れることで、競合との差別化が可能です。特にAI機能の活用は、運用効率の向上とパフォーマンスの最大化に直結するため、積極的に導入を検討しましょう。
まとめ:リスティング広告媒体選びのポイント
本記事では、リスティング広告を出稿できる主要媒体とその特徴、違いについて解説しました。最後に重要なポイントをまとめます。
- リスティング広告の主要媒体は「Google広告」「Yahoo!広告」「Microsoft広告」の3つ
- Google広告は幅広いユーザー層にリーチでき、AI機能が充実している
- Yahoo!広告は40代以上のユーザー層に強く、日本国内市場に特化
- Microsoft広告はPCユーザーやビジネスパーソンに強く、BtoB商材と相性が良い
- リスティング広告は顕在層向け、SNS広告は潜在層にもアプローチ可能
- 自社のターゲット層や予算、目的に合わせて最適な媒体を選ぶことが重要
- 複数の媒体を組み合わせることで、より広範なユーザーにリーチすることも可能
リスティング広告の媒体選びは、成功のための重要な第一歩です。本記事の内容を参考に、自社のビジネスに最適な媒体を選び、効果的な広告運用を実現してください。
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