リスティング広告を運用する上で、適切なキーワード数の設定は非常に重要です。キーワード数が多すぎても少なすぎても効果が出にくくなるため、予算や業界に合わせた最適なキーワード数を把握しておく必要があります。
この記事では、リスティング広告で使用するキーワード数の目安や、効果的なキーワード選定のコツについてわかりやすく解説します。
リスティング広告におけるキーワード数の重要性
リスティング広告とは、ユーザーが検索エンジンで特定のキーワードを検索したときに表示される広告のことです。この広告の成果を左右する重要な要素の一つが「キーワード」です。
キーワードは、あなたの商品やサービスに興味を持っているユーザーを見つけるための「釣り針」のようなものです。適切なキーワードを適切な数だけ設定することで、より効率的に潜在顧客にアプローチすることができます。
キーワード数は多ければ多いほど良いわけではありません。適切な数と質のキーワードを選ぶことが、リスティング広告の効果を最大化するポイントです。
予算規模別のキーワード数の目安
リスティング広告で設定するキーワード数は、予算規模によって大きく変わってきます。予算が限られている場合は、効果の高いキーワードに絞って運用することがおすすめです。
予算規模 | キーワード数の目安 | 特徴 |
---|---|---|
小規模(〜20万円/月) | 5〜15個 | コア商品・サービスに関連する重要キーワードに集中 |
中規模(20〜80万円/月) | 15〜50個 | メインキーワード+関連キーワードを追加 |
大規模(80万円以上/月) | 50〜150個以上 | 幅広いキーワードカバレッジが可能 |
小規模予算の場合の戦略
月間予算が20万円以下の場合、コンバージョンが見込める確度の高いキーワードに絞ることが大切です。例えば、自社の商品名や具体的なサービス名など、購入意欲の高いユーザーが使いそうなキーワードを中心に選びましょう。
- 自社の商品・サービス名を含むキーワード
- 「購入」「申し込み」など購買意欲の高い言葉を含むキーワード
- 具体的なニーズを表すキーワード
中規模予算の場合の戦略
月間予算が20万円から80万円の場合は、コア商品に関するキーワードに加え、関連する周辺キーワードも取り入れることができます。例えば、商品の特徴や解決できる課題に関するキーワードなども追加しましょう。
大規模予算の場合の戦略
月間予算が80万円を超える場合は、より幅広いキーワード戦略を取ることができます。潜在顧客が使いそうな様々なキーワードをカバーし、認知拡大から購入までの顧客journey全体をサポートできます。
業界別のキーワード数の目安
リスティング広告のキーワード数は、業界によっても異なります。業界の特性や競合状況によって最適なキーワード数が変わってくるためです。
業界 | キーワード数の目安 |
---|---|
IT・ソフトウェア | 40〜120個程度 |
美容・健康 | 30〜100個程度 |
不動産 | 50〜150個程度 |
教育・学習 | 20〜80個程度 |
小売・EC | 100〜300個以上 |
例えば、ECサイトの場合は取り扱う商品が多いため、より多くのキーワードが必要になることがあります。一方、専門性の高いBtoBサービスでは、ターゲットが絞られるため、少ないキーワード数でも効果を出せることがあります。
キーワードが多すぎる場合のデメリット
キーワードの数が多すぎると、以下のようなデメリットが生じる可能性があります。
- 管理が複雑になる:多くのキーワードを適切に管理・最適化することが難しくなります。
- 予算の分散:限られた予算が多くのキーワードに分散され、重要なキーワードへの投資が不十分になる可能性があります。
- 関連性の低下:広告文とキーワードの関連性が薄れ、ユーザーの期待と広告内容が一致しなくなる恐れがあります。
- コンバージョン率の低下:関連性の低いキーワードからのアクセスが増え、コンバージョン率が下がる可能性があります。
- コスト増加:効果の低いキーワードにも予算を使ってしまい、コストパフォーマンスが悪化します。
1つの広告グループ内では、10〜20個程度のキーワードに抑えるのが管理しやすく、効果的とされています。
キーワードが少なすぎる場合のデメリット
反対に、キーワードの数が少なすぎる場合も問題があります。
- 検索機会の損失:潜在的なユーザーにリーチできない可能性があります。
- 競争の激化:一般的なキーワードばかりを選ぶと、競合も同じキーワードで競争することになり、クリック単価が高騰する恐れがあります。
- 表示回数の制限:キーワードが少ないと広告の表示機会も限られ、十分なトラフィックを得られない可能性があります。
1キャンペーン内で5キーワード以下だと、検索機会を逃してしまう可能性が高いため注意が必要です。
効果的なキーワード選定のコツ
1. ターゲットユーザーを明確にする
まずは誰に商品やサービスを届けたいのかを明確にしましょう。ターゲットユーザーが検索しそうなキーワードを想像することが大切です。
2. 検索意図を理解する
検索キーワードには、以下のような異なる意図が含まれています。
検索意図 | 特徴 | 例 |
---|---|---|
情報収集 | 何かについて知りたい | 「リスティング広告 効果」「英会話 メリット」 |
比較検討 | 複数の選択肢を比べたい | 「英会話スクール 比較」「ホームページ制作会社 おすすめ」 |
購入意図 | 購入や契約を検討している | 「英会話スクール 入会」「ホームページ制作 依頼」 |
検索意図に合わせたキーワードを選ぶことで、効果的な広告運用が可能になります。特に予算が限られている場合は、購入意図の強いキーワードを優先すると良いでしょう。
3. 検索ボリュームを確認する
選定したキーワードの検索ボリューム(月間検索回数)を確認しましょう。検索ボリュームが多すぎると競争が激しく単価が高くなりやすく、少なすぎると表示機会が限られます。
キーワードの検索ボリュームは、Googleのキーワードプランナーなどのツールで確認できます。
初めは中程度の検索ボリューム(月間100〜1,000回程度)のキーワードから始めるのがおすすめです。競争が激しすぎず、一定の表示機会が見込めます。
4. 競合性とクリック単価を考慮する
キーワードによっては、競争が激しく1クリックあたりの単価が高いものがあります。予算に応じて、費用対効果の高いキーワードを選ぶことが重要です。
- 競合が多いキーワード:一般的で短いキーワード(例:「英会話」)
- 競合が少ないキーワード:具体的で長いキーワード(例:「初心者向け オンライン英会話 格安」)
5. ロングテールキーワードを活用する
ロングテールキーワードとは、複数の単語が組み合わさった具体的なキーワードのことです。検索ボリュームは少なめですが、ユーザーの意図が明確で競争も少ないため、効率良く成果を出せる可能性があります。
一般的なキーワード | ロングテールキーワードの例 |
---|---|
英会話 | 「30代 初心者 オンライン英会話 おすすめ」 |
ホームページ制作 | 「飲食店 ホームページ制作 格安 東京」 |
保険 | 「子供 将来 学資保険 いつから」 |
マッチタイプについて理解しよう
キーワード数を考える上で重要なのが「マッチタイプ」です。マッチタイプとは、設定したキーワードがユーザーの検索語句とどの程度一致したときに広告を表示するかを決める設定です。
3つのマッチタイプ
現在のリスティング広告には、以下の3つのマッチタイプがあります。
マッチタイプ | 特徴 | 表記例 |
---|---|---|
完全一致 | 設定したキーワードと完全に一致、または非常に近い検索語句の場合に広告が表示される | [英会話 スクール] |
フレーズ一致 | キーワードのフレーズが検索語句に含まれる場合に広告が表示される | “英会話 スクール” |
インテントマッチ(旧:部分一致) | キーワードの意図に関連する幅広い検索語句で広告が表示される | 英会話 スクール |
マッチタイプの選び方によって、同じキーワード数でも広告の表示範囲が大きく変わります。予算が少ない場合は「完全一致」や「フレーズ一致」から始め、予算に余裕がある場合は「インテントマッチ」も活用すると良いでしょう。
マッチタイプ別の表示例
例えば「英会話 スクール」というキーワードを設定した場合:
- 完全一致:「英会話 スクール」、「スクール 英会話」などで表示
- フレーズ一致:「おすすめ 英会話 スクール 東京」、「英会話 スクール 料金」などで表示
- インテントマッチ:「英語教室」、「英語 勉強 教室」、「オンライン 英語 レッスン」など関連する幅広い検索語句で表示
効果的なキーワード数を見極めるための指標
最適なキーワード数を見極めるには、以下の指標を確認すると良いでしょう。
1. インプレッション数
広告が表示された回数です。キーワードが少なすぎると、インプレッション数が少なくなる傾向があります。
2. クリック率(CTR)
インプレッション数に対するクリック数の割合です。キーワードと広告の関連性が高いほど、クリック率も高くなります。
3. コンバージョン率
サイト訪問者がコンバージョン(商品購入や問い合わせなど)に至った割合です。キーワードが適切であれば、コンバージョン率も高くなります。
4. コンバージョン単価(CPA)
1件のコンバージョンを獲得するためにかかった広告費用です。この数値が予算内に収まっているかを確認しましょう。
キーワード数よりも、これらの指標に基づいて効果を見極めることが大切です。定期的に効果の低いキーワードを除外し、効果の高いキーワードに予算を集中させることで、リスティング広告の効果を最大化できます。
まとめ:リスティング広告のキーワード数の最適解
リスティング広告のキーワード数に絶対的な正解はありませんが、以下のポイントを押さえておくと良いでしょう。
- 予算規模に応じたキーワード数を設定する(小規模:5〜15個、中規模:15〜50個、大規模:50〜150個以上)
- 1つの広告グループには10〜20個程度のキーワードを目安にする
- マッチタイプを適切に組み合わせる(予算が少ない場合は「完全一致」や「フレーズ一致」から始める)
- 効果を見ながら調整する(効果の低いキーワードは除外し、効果の高いキーワードに予算を集中)
- ロングテールキーワードを活用して効率良く成果を出す
リスティング広告は継続的な運用と調整が必要です。最初は少ないキーワードから始め、効果を見ながら徐々に増やしていくアプローチが、多くの場合で効果的です。定期的にデータを分析し、常に最適なキーワード数と種類を探求していきましょう。
この記事は役に立ちましたか?
この記事を提供しているaboutha(アバウトハ)株式会社は
東京に本社を置くWebマーケティング会社です。
クライアント様とのコミュニケーションをまず第一とし、
相互に納得のいく目標設定を行なった上で効果的なWeb集客を行います。
弊社についてさらに詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。