インターネット広告には様々な種類がありますが、中でもリスティング広告とインスタ広告は目的や特性が大きく異なります。
それぞれの広告がどのような場面で効果を発揮するのか、どのように使い分ければいいのか、わかりやすく解説します。初めて広告を出稿する方も、効果的な広告戦略を考えたい方も、ぜひ参考にしてください。
リスティング広告とインスタ広告の基本的な違い
まずは、リスティング広告とインスタ広告の基本的な特徴を比較してみましょう。
比較項目 | リスティング広告 | インスタ広告 |
---|---|---|
表示場所 | 検索エンジンの検索結果ページ | Instagram上のフィード・ストーリーズなど |
広告の種類 | 主にテキスト広告 | 画像・動画などビジュアル広告 |
ターゲット層 | すでに興味や課題を持つユーザー(顕在層) | まだ商品・サービスを知らないユーザー(潜在層) |
課金方式 | クリック課金(CPC) | クリック課金(CPC)、インプレッション課金(CPM)など |
費用相場 | 月間20万円~50万円 | 月間10万円~、1日100円から可能 |
リスティング広告の特徴とメリット・デメリット
リスティング広告の仕組みとは?
リスティング広告とは、ユーザーが検索エンジンで検索したキーワードに連動して表示される広告です。Google広告やYahoo!広告などが代表的で、検索結果ページの上部や下部に「広告」と表示されて掲載されます。
リスティング広告はクリック課金制(CPC:Cost Per Click)を採用しています。ユーザーが広告をクリックした時だけ費用が発生するため、広告が表示されただけでは費用はかかりません。
リスティング広告のメリット
- 即効性が高い:広告設定後すぐに表示が始まり、効果測定も素早く行えます。
- 購入意欲の高いユーザーにアプローチできる:すでに課題を認識し、解決策を探しているユーザーに広告を表示できます。
- 費用対効果を測定しやすい:クリック数、コンバージョン数などを詳細に把握できます。
- 予算の調整が容易:成果に応じて柔軟に予算を調整できます。
- キーワード選定で効果を高められる:ユーザーのニーズに合わせたキーワード設定が可能です。
リスティング広告のデメリット
- 競合が多いキーワードは費用が高くなりやすい
- 顕在層のみがターゲットとなり、潜在層へのアプローチが難しい
- 広告文のみで訴求するため、ビジュアル的なアピールができない
- 「広告」と表示されるため、広告に抵抗感のあるユーザーからはクリックされにくい
インスタ広告の特徴とメリット・デメリット
インスタ広告の仕組みとは?
インスタ広告は、Instagram上のフィード、ストーリーズ、リール、エクスプローラーなどに表示される広告です。画像や動画を活用した視覚的な広告で、一般ユーザーの投稿と同じフォーマットで表示されるため、広告色を抑えた自然な形で訴求できます。
インスタ広告はMeta広告の一部として運用されます。そのため、FacebookとInstagramの両方で広告を出稿することも可能です。また、年齢、性別、趣味、関心など細かなターゲティング設定ができるのが特徴です。
インスタ広告のメリット
- ビジュアル訴求力が高い:画像や動画を活用し、商品やサービスを視覚的にアピールできます。
- 潜在層へのアプローチが可能:まだ自社の商品・サービスを知らないユーザーにも広告を表示できます。
- 細かなターゲティングが可能:年齢、性別、興味・関心などの属性で絞り込めます。
- 低予算からスタートできる:1日100円から広告配信が可能です。
- 若年層へのリーチに強い:10代~30代のユーザーが多いプラットフォームです。
インスタ広告のデメリット
- クリエイティブの作成に手間がかかる
- 購買意欲の高いユーザーを狙い撃ちするのが難しい
- 商材によって効果に差がある(特にビジュアル訴求に向かない商材は苦戦する)
- 競合も多く、広告費用が上昇傾向にある
リスティング広告とインスタ広告の効果的な使い分け方
目的による使い分け
広告の目的によって、最適な広告種類は異なります。
広告の目的 | おすすめの広告 | 理由 |
---|---|---|
商品・サービスの認知拡大 | インスタ広告 | 潜在層へのアプローチに強く、視覚的なインパクトがある |
即時の問い合わせ・購入促進 | リスティング広告 | 購入意欲の高いユーザーにアプローチできる |
新規顧客の獲得 | 両方の組み合わせ | 潜在層と顕在層の両方にアプローチできる |
リピート購入の促進 | リターゲティング広告 | 過去に訪問したユーザーに再アプローチできる |
商材特性による使い分け
商品やサービスの特性によって、効果的な広告の種類が異なります。
- インスタ広告が効果的な商材:
- ファッション、コスメなどのビジュアル訴求が重要な商品
- 飲食店、旅行、イベントなどの体験型サービス
- デザイン性の高い商品やサービス
- 若年層をターゲットにした商品・サービス
- リスティング広告が効果的な商材:
- 法律相談、税務相談などの専門サービス
- 引越し、修理などの緊急性の高いサービス
- BtoBサービスや専門性の高い商品
- 価格比較されやすい商品・サービス
ターゲット層による使い分け
ターゲットとするユーザー層によっても、効果的な広告は異なります。
リスティング広告は、すでに課題を認識し、解決策を探している「顕在層」に効果的です。一方、インスタ広告は、まだ自社の商品・サービスを知らない「潜在層」へのアプローチに適しています。
リスティング広告とインスタ広告の組み合わせ戦略
最も効果的なのは、リスティング広告とインスタ広告を組み合わせて運用する方法です。これにより、潜在層から顕在層まで幅広いユーザーにアプローチできます。
効果的な組み合わせ例
- 認知拡大からコンバージョンまでのフロー作り:
まずインスタ広告で商品・サービスの認知を広げ、興味を持ったユーザーがその後検索したときにリスティング広告で受け止める戦略です。
- リターゲティングの活用:
リスティング広告で自社サイトに訪れたものの購入に至らなかったユーザーに対して、インスタ広告でリターゲティングを行い、再アプローチする方法です。
- シーズナル戦略:
繁忙期にはリスティング広告を強化し、閑散期にはインスタ広告で潜在層の掘り起こしを行うなど、季節やタイミングに応じた戦略です。
リスティング広告とインスタ広告の成功事例
リスティング広告の成功事例
ある引越しサービス会社では、「引越し 安い」「引越し 見積もり」などのキーワードでリスティング広告を出稿。引越しシーズンに合わせて予算を増額し、問い合わせ数を前年比150%に増加させました。特に緊急性の高いニーズに対応するリスティング広告の即効性が功を奏した事例です。
インスタ広告の成功事例
あるコスメブランドでは、商品の使用感や効果を視覚的に訴求するショート動画広告をインスタのストーリーズに出稿。20代~30代の女性をターゲットに絞り込んだ広告配信を行い、ブランド認知度が向上。公式アカウントのフォロワー数も3か月で2倍に増加し、最終的に売上を40%アップさせました。
組み合わせの成功事例
あるオンライン英会話サービスでは、まずインスタ広告で「短期間で英語が話せるようになる」というビジュアル訴求を実施。その後、「オンライン英会話 おすすめ」などのキーワードでリスティング広告を出稿し、認知から検討、申込までの流れを作りました。この組み合わせ戦略により、新規申込数が60%増加しました。
初めて広告を出す方へのアドバイス
初めて広告を出稿する際は、以下のポイントに注意しましょう。
- まずは少額からスタートし、効果を見ながら予算を調整する
- 広告の効果測定の仕組みを事前に整える(アクセス解析ツールの設置など)
- リスティング広告とインスタ広告、どちらが自社の商材に合うか検証する
- 競合他社の広告も参考にして、差別化ポイントを明確にする
- プロの力を借りることも検討する(特に初期設定や戦略立案の部分)
初めての広告出稿では「テスト→測定→改善→再テスト」のサイクルを繰り返すことが重要です。失敗を恐れずに、小さく始めて少しずつ改善していきましょう。
まとめ:それぞれの特性を理解し効果的に使い分けよう
リスティング広告とインスタ広告は、それぞれ異なる特性と強みを持っています。
- リスティング広告は、すでに課題を認識しているユーザーにアプローチし、即効性が高いという特徴があります。
- インスタ広告は、潜在層への訴求やビジュアル訴求に強みがあります。
- 目的や商材、ターゲット層に合わせて最適な広告を選択しましょう。
- 両方を組み合わせることで、より効果的なマーケティング戦略が実現できます。
どちらの広告も、しっかりとした戦略と継続的な改善が成功の鍵となります。自社の目標や予算に合わせて、効果的な広告運用を実践していきましょう。
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