リスティング広告の運用を外部に委託する際、多くの企業が直面するのが「手数料をいかに抑えながら効果的な運用を実現するか」という課題です。一般的な従量制(定率制)では広告費の20%程度が相場とされていますが、近年注目を集めているのが定額制の料金体系です。本記事では、定額制リスティング広告代行の相場や従量制との違い、それぞれのメリット・デメリットについて、マーケティング初心者の方にもわかりやすく解説します。
リスティング広告の運用代行にかかる費用の基本構造
リスティング広告の運用を外部に委託する場合、費用は主に2つの要素で構成されています。
- GoogleやYahoo!に直接支払う「広告費」
- 代理店に支払う「運用代行手数料」
広告費については、広告主が直接プラットフォームに支払うケースと、代理店が立て替えて支払うケースがあります。一方、運用代行手数料は代理店の取り分となり、キーワード調整、広告文の最適化、入札管理、レポート作成などの業務に対する対価として支払われます。
多くの場合、月間の広告予算を設定することで、支出を予測可能な範囲に抑えることができ、予算管理がしやすくなります。
リスティング広告運用代行の手数料体系4種類
リスティング広告の運用代行手数料には、主に4つの体系があります。それぞれの特徴と相場を詳しく見ていきましょう。
従量制(コミッション制):広告費連動型
広告費に対する一定の割合で手数料を算出する最も一般的な方法です。相場は広告費の20%程度ですが、低コストを訴求する代理店では10~15%で提供するケースもあります。
広告費 | 手数料(20%の場合) | 月間総支出 |
30万円 | 6万円 | 36万円 |
100万円 | 20万円 | 120万円 |
500万円 | 100万円 | 600万円 |
テーブル制:段階的料金制
広告費の規模に応じて手数料率を段階的に下げていく仕組みです。高額な広告費での割高感を軽減するために考案されました。
広告費 | 運用手数料率 |
300万円まで | 20% |
300万円超500万円まで | 15% |
500万円超1,000万円まで | 10% |
フィー制:作業量基準
広告費に関係なく人員と稼働時間をベースに手数料を算出する方法です。作業内容と時間が基準となるため、依頼する業務の範囲によって費用を調整できます。
定額制:固定プラン
業務内容と料金を決めてプラン化している手数料体系です。月額2万円~5万円程度の固定料金で基本的な運用業務を提供するケースが多く見られます。
定額制リスティング広告代行の料金相場
定額制でのリスティング広告運用代行は、広告費の規模に関わらず固定の月額料金で利用できるサービスです。以下が一般的な料金相場となります。
月額料金 | 対応可能な広告費目安 | こんな方におすすめ |
月3万円以下 | 月間30万円以下 | お試しでリスティング広告を始めたい方 |
月5万円~10万円 | 月間50~100万円 | 本格的にリスティング広告で集客したい方 |
月20万円~30万円 | 月間200~300万円 | WEB集客で一定の利益を創出したい方 |
定額制サービスでは、最低利用期間(3~6ヶ月程度)が設定されている場合があります。また、レポート作成などが別途費用となるケースもあるため、契約前の確認が重要です。
定額制と従量制のメリット・デメリット比較
定額制のメリット
- 予算管理がしやすい:毎月の支出が一定で予算計画が立てやすい
- コスト削減効果:広告費が高額になるほど従量制より安くなる傾向
- 透明性の高い料金体系:作業内容に基づく明確な根拠がある
- 広告費の増減に手数料が左右されない
定額制のデメリット
- 想定外の作業が発生した場合の追加費用リスク
- 最低利用期間の制約がある場合が多い
- サービス内容が限定的になる可能性
- 費用算出や契約までに時間がかかる場合がある
従量制のメリット
- 広告費が少額の場合は手数料も安くなる
- 契約プロセスがシンプル
- 小さな追加依頼に柔軟に対応してもらえる
- 業界標準の料金体系で比較しやすい
従量制のデメリット
- 広告費が高額になると手数料負担が大きくなる
- 広告費の変動に伴い手数料も変動する
- 手数料の根拠が明確でない場合がある
- 予算管理が複雑になる可能性
広告費規模別の最適な選択肢
月間広告費30万円以下の場合
この規模では、多くの大手代理店が採算の関係で請けていないため、定額制サービスや格安代行会社、フリーランスへの依頼が現実的な選択肢となります。
月間広告費50万円~100万円の場合
この規模になると、定額制・従量制すべてが選択肢となります。従量制でも月10~20万円程度の手数料で包括的なサービスを受けられる可能性があります。
月間広告費500万円以上の場合
広告費が高額になると従量制では手数料負担が大きくなるため、定額制(フィー制)への移行やインハウス化の検討がおすすめです。
定額制リスティング広告代理店を選ぶ5つのチェックポイント
- 最低利用期間の確認:3~6ヶ月程度の縛りがある場合が多い
- サービス対応範囲の把握:レポート作成が別料金の場合もある
- 広告費による料金設定:自社の広告費規模に適したプランか確認
- 初期費用等の別途費用:月額料金以外の費用がないか確認
- 解約後のアカウント権限譲渡:運用データが引き継げるか確認
定額制を選択する際は、単純に料金の安さだけでなく、提供されるサービスの質や自社のマーケティング目標達成への貢献度も総合的に判断することが重要です。
まとめ:自社に最適な料金体系の選択を
リスティング広告の運用代行において、定額制と従量制にはそれぞれ異なる特徴とメリット・デメリットがあります。
定額制は予算管理のしやすさとコスト削減効果が魅力である一方、従量制はサービスの柔軟性と業界標準としての安心感があります。
重要なのは、自社の広告費規模、予算管理方針、求めるサービス内容を総合的に考慮して最適な選択肢を見つけることです。また、代理店選定の際は料金だけでなく、運用実績や担当者のスキル、サポート体制なども慎重に評価することをおすすめします。
リスティング広告の運用代行は、適切なパートナーと料金体系を選ぶことで、コスト効率よく効果的な集客を実現できる重要な投資です。本記事の情報を参考に、自社にとって最適な選択をしていただければ幸いです。
この記事は役に立ちましたか?
この記事を提供しているaboutha(アバウトハ)株式会社は
東京に本社を置くWebマーケティング会社です。
クライアント様とのコミュニケーションをまず第一とし、
相互に納得のいく目標設定を行なった上で効果的なWeb集客を行います。
弊社についてさらに詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。