リスティング広告を運用していると、「CVR(コンバージョン率)」という言葉を必ず耳にします。CVRは広告の成果を測る最も重要な指標の一つで、広告費用対効果を左右する要素です。
この記事では、リスティング広告のCVRについて基礎知識から業界別の平均値、さらに効果的な改善方法まで、わかりやすく解説します。
CVR(コンバージョン率)とは何か?
CVR(Conversion Rate)とは、広告をクリックしてサイトに訪問した人のうち、実際に商品購入や資料請求などの目標行動を完了した人の割合を表す指標です。日本語では「コンバージョン率」と呼ばれます。
CVR(%)= コンバージョン数 ÷ 広告のクリック数 × 100
CVRの計算例
例えば、あなたの広告が100回クリックされ、そのうち5件が商品購入につながった場合:
- コンバージョン数:5件
- クリック数:100回
- CVR = 5 ÷ 100 × 100 = 5%
この場合、CVRは5%となります。
業界別CVRの平均値データ
リスティング広告のCVRは業界によって大きく異なります。以下は最新の調査データに基づく業界別の平均CVRです。
業界 | 検索広告CVR | ディスプレイ広告CVR |
---|---|---|
出会い・パーソナル系 | 9.64% | 3.34% |
法務・法律サービス | 6.98% | 1.84% |
消費者サービス | 6.64% | 0.86% |
自動車 | 6.03% | 1.19% |
人材・雇用サービス | 5.13% | 1.57% |
産業サービス | 3.37% | 0.94% |
健康・医療 | 3.36% | 0.82% |
教育 | 3.39% | 0.50% |
BtoBサービス | 3.04% | 0.80% |
テクノロジー | 2.92% | 0.86% |
ECサイト・電子商取引 | 2.81% | 0.59% |
業界別CVRの特徴
出会い・パーソナル系が最も高いCVRを示しているのは、ユーザーの購買意欲が高く、即決しやすいサービス特性によるものです。一方で、ECサイトのCVRが相対的に低いのは、商品比較検討に時間をかける傾向があるためです。
CVRに影響する主な要因
CVRの数値は様々な要因によって左右されます。主な影響要因を理解することで、改善策を立てやすくなります。
広告関連の要因
- キーワードの品質:ユーザーの検索意図とマッチしているか
- 広告文の内容:魅力的で関連性の高い訴求ができているか
- ターゲティング:適切なユーザー層にリーチできているか
- 入札戦略:競合他社との競争力があるか
ランディングページ関連の要因
- ページ読み込み速度:3秒以内での表示が理想的
- デザインと使いやすさ:直感的に操作できるUI/UX
- コンテンツの質:ユーザーのニーズに応える情報提供
- フォームの最適化:入力項目数や必須項目の見直し
CVRが低下する主な原因
CVRの低下には明確な原因があります。以下の要因を一つずつチェックして、問題点を特定しましょう。
1. 広告とランディングページの内容に一貫性がない
2. ページ内の導線が直感的でない
3. フォームが長すぎる、または複雑
4. ページの表示速度が遅い
5. モバイル対応が不十分
広告とランディングページの不整合
広告で「無料相談」を謳っているのに、ランディングページで有料サービスの説明ばかりしていると、ユーザーは騙されたと感じて離脱してしまいます。広告文とランディングページの内容は必ず一致させましょう。
複雑すぎる入力フォーム
入力項目が多すぎると、ユーザーは面倒に感じて途中で諦めてしまいます。必須項目は最小限に絞り、段階的に情報を取得する設計にすることが重要です。
効果的なCVR改善方法
CVRを改善するための具体的な施策を、優先度の高い順に解説します。
1. キーワードの見直しと最適化
- 除外キーワードの設定:無関係なクリックを減らす
- 購買意欲の高いキーワードに集中:「比較」「価格」「口コミ」などの検討段階キーワード
- 検索クエリの定期確認:実際に検索されたキーワードを分析
2. 広告文の改善
効果的な広告文を作成するためのポイント:
- 具体的な数値や特典を明記(「30%OFF」「送料無料」など)
- ユーザーのメリットを明確に伝える
- 緊急性や限定性を演出(「期間限定」「残り3日」など)
- コールトゥアクション(CTA)を強化
3. ランディングページの最適化
改善項目 | 具体的な対策 | 効果 |
---|---|---|
ファーストビュー | 3秒でサービス内容がわかる構成 | 離脱率の低下 |
フォーム最適化 | 入力項目を3-5項目に絞る | 完了率の向上 |
読み込み速度 | 画像圧縮、不要なプラグイン削除 | ページ滞在時間の増加 |
信頼性向上 | お客様の声、実績数値の掲載 | 不安の解消 |
4. A/Bテストの実施
CVR改善には継続的なテストが欠かせません。以下の要素をテストしてみましょう:
- 見出しのキャッチコピー
- CTAボタンの色や文言
- 画像やイラストの配置
- フォームの項目数や順序
CVR向上の成功事例
事例1:BtoB企業の資料請求フォーム改善
ある IT企業では、資料請求フォームの入力項目を12項目から5項目に削減した結果、CVRが2.1%から4.8%に向上しました。特に電話番号を任意項目にしたことが大きな効果をもたらしました。
事例2:ECサイトの商品ページ最適化
アパレルECサイトでは、商品画像を増やし、サイズ表を分かりやすく改善した結果、CVRが1.8%から3.2%に改善されました。購買に必要な情報を充実させることで不安を解消できた事例です。
CVR分析に使える無料ツール
CVR改善には継続的な分析が必要です。以下のツールを活用しましょう:
- Google Analytics:基本的なCVR分析
- Google Search Console:検索クエリとCVRの関係分析
- Google Optimize:A/Bテストの実施
- Hotjar(無料版):ヒートマップ分析
まとめ:CVRを継続的に改善していこう
リスティング広告のCVRは、業界平均を参考にしつつも、自社の状況に合わせた改善策を継続的に実施することが重要です。キーワードの見直し、広告文の改善、ランディングページの最適化を段階的に行い、A/Bテストで効果を検証しながら進めましょう。
CVRの改善は一朝一夕では達成できませんが、小さな改善を積み重ねることで確実に成果を上げることができます。今回紹介した方法を参考に、ぜひ自社のリスティング広告のCVR向上に取り組んでみてください。
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