リスティング広告のCTRとは?その意味や確認方法を解説

リスティング広告のCTR(クリック率)は、広告の効果を測定する重要な指標です。適切な広告運用によってCTRを向上させることで、より多くのユーザーをサイトへ誘導し、コンバージョン獲得につなげることができます。

本記事では、CTRの基本的な意味から確認方法、そして改善するためのポイントまで分かりやすく解説します。

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CTR(クリック率)とは

CTRとは「Click Through Rate(クリック率)」の略で、広告が表示された回数(インプレッション数)に対して、実際にクリックされた回数の割合を示す指標です。リスティング広告において、CTRはユーザーがどれだけ広告に興味を持ったかを測る重要な数値となります。

ポイントCTRはユーザーの関心度を測る指標であり、広告の効果を示す第一段階の目安となります。ただし、最終的な目標はコンバージョン(CV)獲得であることを忘れないようにしましょう。

CTRの計算方法

CTRは次の計算式で求められます。

CTR(%)= クリック数 ÷ インプレッション数(表示回数) × 100

例えば、ある広告が1,000回表示され、50回クリックされた場合のCTRは、
50 ÷ 1,000 × 100 = 5(%)となります。

CTRと他の指標との違い

指標 意味 計算式
CTR(クリック率) 広告が表示された回数に対して、クリックされた割合 クリック数 ÷ 表示回数 × 100
CVR(コンバージョン率) サイト訪問者のうち、目的の行動をとった割合 コンバージョン数 ÷ クリック数 × 100
CPC(クリック単価) 1クリックあたりのコスト 広告費用 ÷ クリック数
CPA(顧客獲得単価) 1コンバージョンあたりのコスト 広告費用 ÷ コンバージョン数

リスティング広告の平均CTR

リスティング広告の平均CTRは一般的に約3〜5%とされていますが、業界や広告の種類によって大きく異なります。一概に「良い・悪い」と判断するのではなく、業界の平均値と比較して評価するとよいでしょう。

業界別の平均CTR

業界 平均CTR(リスティング広告)
デート・出会い関連 約6.05%
旅行・ホスピタリティ 約4.68%
アドボカシー(擁護団体) 約4.41%
自動車 約4.00%
教育 約3.78%
不動産 約3.71%
健康・医療 約3.27%
金融・保険 約2.91%
Eコマース 約2.69%
テクノロジー 約2.09%

※上記はあくまで目安であり、実際の数値は広告の内容やターゲティングによって変動します。

CTRの確認方法

Google広告やYahoo!広告の管理画面から、各キャンペーンや広告グループ、キーワードごとのCTRを確認することができます。定期的にチェックして、改善が必要な広告を把握しましょう。

Google広告でのCTR確認手順

  1. Google広告の管理画面にログインする
  2. 左側のメニューから「キャンペーン」や「広告グループ」を選択
  3. 表示された一覧の中に「クリック率」の列があるので確認する
  4. 必要に応じて、期間や表示項目をカスタマイズして分析する
ポイントCTRだけでなく、コンバージョン率(CVR)や費用対効果も併せて確認することで、広告の総合的な評価ができます。特に低CTRでも高CVRの広告は、改善よりも現状維持が良い場合もあります。

CTR(クリック率)が低い原因

CTRが低い場合、以下のような原因が考えられます。

  • 広告文とキーワードの不一致:検索ユーザーの意図と広告内容が合っていない
  • 広告の掲載順位が低い:上位表示されていないため、ユーザーの目に留まりにくい
  • 魅力的でない広告文:ユーザーを引きつける要素や差別化ポイントが不足している
  • ターゲティングの問題:対象とするユーザー層が適切に設定されていない
  • 広告表示オプションの未活用:サイトリンクなどの追加情報が表示されていない

CTR(クリック率)を改善するポイント

CTRを向上させるための具体的な施策をご紹介します。

1. 魅力的な広告文の作成

広告文はユーザーが最初に目にする要素です。以下のポイントを意識して作成しましょう。

  • 具体的な数字を入れる:「満足度98%」「3日で効果実感」など、具体的な数値を示す
  • ユーザーの悩みに訴求する:「髪の毛のお悩み解決」など、ユーザーの課題に対する解決策を提示
  • 差別化ポイントを明確にする:「業界最安値」「特許取得済み」など、競合との違いを強調
  • 行動を促すフレーズを使う:「今すぐ申し込む」「無料でダウンロード」など、次のアクションを促す
  • 検索キーワードを広告文に含める:ユーザーの検索意図に合った内容であることを示す

2. キーワードの精査と最適化

適切なキーワード選定は、CTR向上の鍵となります。

  • 検索クエリレポートの活用:実際にユーザーが検索した語句を分析し、有効なキーワードを発見する
  • 無関係なキーワードの除外:広告表示はされるがクリックされないキーワードを除外リストに追加
  • マッチタイプの最適化:完全一致やフレーズ一致など、適切なマッチタイプを選択
  • 長尾キーワードの活用:具体的で検索意図が明確な長い語句を取り入れる

3. ターゲティングの最適化

広告を表示するユーザー層を適切に設定することで、CTRの向上が期待できます。

  • 地域設定:商品・サービスが関連する地域に限定して配信
  • 時間帯設定:コンバージョンが発生しやすい時間帯に集中して配信
  • デバイス別の最適化:モバイル・PCなど、デバイス別にパフォーマンスを分析し入札額を調整
  • リマーケティングの活用:サイト訪問者に対して再度広告を表示し、CTRを高める

4. 広告表示オプションの活用

広告表示オプション(アセット)を追加することで、広告の視認性と情報量が向上します。

表示オプション 効果
サイトリンク表示オプション サイト内の関連ページへの直接リンクを追加できる
コールアウト表示オプション 「送料無料」「24時間対応」などの特徴を追加表示できる
構造化スニペット表示オプション 商品やサービスのカテゴリ情報を表示できる
電話番号表示オプション 電話番号を表示し、モバイルからの発信を促進できる

5. A/Bテストの実施

異なる広告文や表示オプションの組み合わせを試し、最も効果的な広告を見つけましょう。

  • 見出しのバリエーション:異なる訴求ポイントを試してみる
  • 説明文の比較:詳細な説明と簡潔な説明を比較する
  • 表示オプションの組み合わせ:様々な表示オプションの組み合わせを試す
  • ランディングページの比較:異なるランディングページへの誘導効果を検証する

CTRと他の指標のバランス

CTRだけを追求するのではなく、以下のような他の指標とのバランスも考慮することが重要です。

ポイントCTRが高くても、コンバージョン率が低ければ、広告効果は十分とは言えません。CTRとCVRのバランスを考慮し、最終的なROI(投資対効果)を重視した広告運用を心がけましょう。

例えば、以下のような状況を比較してみましょう。

広告グループ CTR CVR CPA 評価
A 8% 1% ¥10,000 CTRは高いがCVRが低い
B 3% 5% ¥4,000 CTRは低いがCVRが高く、CPAも低い

広告グループBはCTRが低いものの、CVRが高くCPAが低いため、実質的な広告効果は高いと言えます。単純にCTRだけで広告の良し悪しを判断せず、総合的な視点で評価することが大切です。

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まとめ

リスティング広告のCTR(クリック率)は、広告の第一段階の効果を測る重要な指標です。しかし、CTRだけを追求するのではなく、コンバージョン率や費用対効果とのバランスを考慮した広告運用が求められます。

CTRを改善するためのポイントをまとめると:

  1. 魅力的な広告文の作成:具体的な数字や差別化ポイントを盛り込む
  2. キーワードの精査と最適化:適切なキーワード選定と除外設定
  3. ターゲティングの最適化:地域・時間帯・デバイスなどの設定調整
  4. 広告表示オプションの活用:サイトリンクやコールアウトなどの追加
  5. A/Bテストの実施:様々なパターンを試して最適な広告を見つける

これらの施策を実施しながら、定期的に広告のパフォーマンスを分析し、継続的な改善を行うことが成功への鍵となります。

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