リスティング広告のクリエイティブは、広告の成果を左右する重要な要素です。適切な数のクリエイティブを用意し、プロの手によって最適化されたクリエイティブを配信することで、広告効果を最大化できます。
本記事では、リスティング広告におけるクリエイティブの適切な数や、プロに外注するべきタイミングについて詳しく解説していきます。
リスティング広告のクリエイティブとは
リスティング広告のクリエイティブとは、検索結果画面に表示される広告の見出しや説明文などの文章要素のことを指します。バナー画像を使用するディスプレイ広告とは異なり、リスティング広告は主にテキストベースの広告となっています。
リスティング広告では基本的にバナー画像は使用せず、テキストクリエイティブ(見出しと説明文)がメインとなります。
リスティング広告の主要なクリエイティブ要素
- 広告見出し(最大15個まで設定可能)
- 説明文(最大4個まで設定可能)
- 表示URL(パス1、パス2)
- 広告表示オプション(サイトリンク、コールアウトなど)
リスティング広告に必要なクリエイティブ数
リスティング広告で最適な成果を得るために必要なクリエイティブ数について、具体的な数値を交えて解説します。
レスポンシブ検索広告の推奨設定数
現在のGoogle広告で主流となっているレスポンシブ検索広告では、機械学習によって最適な組み合わせが自動選択されるため、できるだけ多くのバリエーションを用意することが重要です。
項目 | 最小設定数 | 最大設定数 | 推奨設定数 |
---|---|---|---|
広告見出し | 3個 | 15個 | 8~15個 |
説明文 | 2個 | 4個 | 4個 |
広告グループあたりの広告数
1つの広告グループには、最大3つのレスポンシブ検索広告までしか設定できません。そのため、効果的なABテストを実施するためには、以下の構成が推奨されます。
- 1つの広告グループに2~3個のレスポンシブ検索広告を設定
- 各広告で異なるアプローチの見出しと説明文を用意
- 定期的に成果データを確認し、効果の低い広告を改善
効果的なクリエイティブ数の考え方
適切なクリエイティブ数を決定する際は、広告予算や事業規模に応じて調整することが重要です。
事業規模別の推奨クリエイティブ数
事業規模 | 広告グループ数 | 1グループあたりの広告数 | 合計クリエイティブ数の目安 |
---|---|---|---|
小規模・初心者 | 3~5個 | 2個 | 6~10個 |
中規模ビジネス | 10~20個 | 2~3個 | 20~60個 |
大規模ビジネス | 30個以上 | 3個 | 90個以上 |
ABテストの実施に必要な最低数
ABテストで統計的に有意な結果を得るためには、最低でも2つのクリエイティブバリエーションが必要です。しかし、より精度の高い検証を行うためには、以下の数が推奨されます。
- 見出しのテスト:5~10パターン
- 説明文のテスト:3~4パターン
- 全体的なメッセージのテスト:3~5パターン
バナークリエイティブが必要な場合
リスティング広告は基本的にテキスト広告ですが、特定の配信面ではバナークリエイティブが必要になる場合があります。
バナーが必要な配信面
- Googleディスプレイネットワーク(GDN)での配信
- Yahoo!ディスプレイ広告(YDA)での配信
- ショッピング広告での商品画像
- 動画広告での動画クリエイティブ
ディスプレイ広告を併用する場合は、横長(1200×628px)と正方形(1200×1200px)の最低2種類のバナーが必要になります。
プロに外注すべきタイミング
リスティング広告のクリエイティブ制作を外注するべきタイミングについて、具体的な判断基準を解説します。
外注を検討すべき状況
- 社内にマーケティングの専門知識を持つ担当者がいない
- 月間広告費が30万円以上の規模になった
- 複数の商品・サービスで広告を展開している
- コンバージョン率が1%を下回っている
- 競合他社との差別化が困難になっている
自社で対応可能な場合の条件
以下の条件が揃っている場合は、自社でのクリエイティブ制作も十分に可能です。
- デジタルマーケティングの基礎知識がある担当者がいる
- 月間広告費が10万円以下の小規模運用
- 単一商品・サービスに特化した広告展開
- 定期的な分析・改善に時間を割ける体制がある
外注のメリットとデメリット
プロにクリエイティブ制作を外注する際の利点と注意点について詳しく解説します。
外注のメリット
メリット | 詳細 |
---|---|
専門知識の活用 | 豊富な経験とデータに基づいた効果的なクリエイティブ制作が可能 |
時間とリソースの節約 | 社内の人的リソースを他の業務に集中できる |
最新トレンドの反映 | 業界の最新動向や規約変更に迅速に対応 |
客観的な視点 | 第三者の視点から効果的な訴求ポイントを発見 |
外注のデメリットと注意点
- コストの増加:運用代行手数料は広告費の15~20%が相場
- コミュニケーションコスト:要望の伝達や修正依頼に時間がかかる
- ノウハウの蓄積不足:社内にスキルが蓄積されにくい
- レスポンス速度:緊急の修正対応が遅れる可能性
効果的なクリエイティブ制作のポイント
自社で制作する場合でも外注する場合でも、効果的なクリエイティブを作成するための重要なポイントがあります。
クリエイティブ制作の基本原則
- ターゲットユーザーの明確化:検索キーワードから読み取れるユーザーの意図を理解する
- 具体的な数字の活用:「最大50%オフ」「3日間限定」など具体的な数値を含める
- 行動を促すフレーズ:「今すぐ」「無料」「限定」などのアクションワードを効果的に使用
- 競合との差別化:独自の強みや特徴を明確に打ち出す
ABテストによる継続的改善
クリエイティブの効果を最大化するためには、継続的なABテストが不可欠です。以下の手順で実施します。
1. 仮説の設定(どの要素を変更するか)
2. テスト期間の設定(最低2週間以上推奨)
3. 統計的有意性の確認
4. 勝利パターンの採用と次の改善案の検討
費用対効果を考慮した判断基準
外注の判断を行う際は、費用対効果を適切に評価することが重要です。
外注費用の相場
外注先 | 月額費用 | 手数料率 | 適用規模 |
---|---|---|---|
大手広告代理店 | 50万円~ | 20~25% | 月間広告費200万円以上 |
中小代理店 | 10万円~ | 15~20% | 月間広告費50万円以上 |
フリーランス | 3万円~ | 10~15% | 月間広告費20万円以下 |
ROI改善の判断基準
外注によってROI(投資収益率)が改善される可能性が高いのは以下の場合です。
- 現在のコンバージョン率が業界平均を大きく下回っている
- クリック率が1%を下回っている状況が続いている
- 競合他社の広告と比較して訴求力が不足している
- キーワードと広告文の関連性が低い状態になっている
まとめ:適切なクリエイティブ数と外注判断
リスティング広告において、クリエイティブ数は多ければ良いというものではなく、品質と多様性のバランスが重要です。
レスポンシブ検索広告では見出し8~15個、説明文4個を基本とし、1つの広告グループあたり2~3個の広告を設定することが推奨されます。ABテストを継続的に実施し、データに基づいた改善を行うことで、広告効果を最大化できます。
外注については、月間広告費30万円以上、または社内にマーケティング専門知識を持つ担当者がいない場合に検討することをお勧めします。費用対効果を慎重に評価し、自社の状況に最適な選択肢を選ぶことが成功への鍵となります。
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