リスティング広告はどれくらいの予算が必要?試算のやり方・外注費

リスティング広告の予算設定は、Web広告で成功するための最も重要な要素の一つです。適切な予算を設定することで、効率的な集客が可能になりますが、間違った設定をすると広告費を無駄にしてしまう可能性があります。

本記事では、リスティング広告の予算設定について、初心者の方でも理解できるよう基礎から丁寧に解説します。キーワードボリュームから逆算する具体的な計算方法や、業界別の予算相場、外注する際の費用まで、実践的な内容をお伝えします。

リスティング広告の予算とは?基本的な考え方

リスティング広告の予算とは、検索エンジンに広告を掲載するために必要な費用のことです。この予算は、広告の表示回数や顧客獲得数に直接影響するため、慎重に設定する必要があります。

予算設定の3つの基本要素

  • クリック単価(CPC):1回のクリックにかかる費用
  • コンバージョン率(CVR):クリックから成約に至る割合
  • 顧客生涯価値(LTV):一人の顧客から得られる総収益
ポイント

予算設定では、獲得したい顧客数×獲得単価で基本的な予算額を計算できます。ただし、業界や競合の状況によって必要な予算は大きく変わるため、相場を理解することが重要です。

業界別リスティング広告予算相場の違い

リスティング広告の予算は、業界によって大きく異なります。競合の多さ、商品・サービスの単価、顧客獲得の難易度などが影響するためです。

主要業界の予算相場と特徴

業界 月額予算相場 平均CPC 特徴
不動産 50万円~300万円 500円~2,000円 高単価商品のため予算も高額。地域性が重要
金融・保険 100万円~500万円 800円~3,000円 競合が激しく、規制も多い業界
医療・美容 30万円~200万円 300円~1,500円 薬機法などの規制に注意が必要
法律事務所 20万円~150万円 1,000円~5,000円 専門性が高く、CPCが最も高い業界の一つ
EC・小売 10万円~100万円 50円~500円 商品数が多く、季節性の影響を受けやすい
教育・スクール 15万円~80万円 200円~800円 時期による需要変動が大きい
BtoBサービス 20万円~150万円 300円~1,200円 決裁者へのアプローチが重要

業界別予算設定のポイント

競合が激しい業界(金融・法律・不動産)

  • 初期予算は相場の1.5~2倍程度を想定
  • ニッチなキーワードから攻める戦略が有効
  • 品質スコアの向上に力を入れることでCPCを下げられる

季節性の高い業界(教育・旅行・ファッション)

  • 繁忙期に予算を集中投下する計画を立てる
  • 閑散期は予算を30~50%削減して効率化
  • 年間を通した予算配分計画が重要

地域性の高い業界(店舗・サービス業)

  • エリア設定を細かく分けて予算配分
  • 人口密度と商圏に応じた予算調整
  • 競合店舗数を考慮した予算設定

注意:上記の相場はあくまで目安です。実際の予算設定では、自社の事業規模、競合状況、目標とする成果などを総合的に考慮する必要があります。

キーワードボリュームから予算を逆算する方法

効果的な予算設定のためには、キーワードボリュームからの逆算が重要です。この方法を使えば、より現実的で根拠のある予算を設定できます。

逆算予算設定の5つのステップ

  1. 対象キーワードの月間検索ボリューム調査
  2. 予想クリック率(CTR)の設定
  3. クリック単価(CPC)の調査
  4. コンバージョン率(CVR)の設定
  5. 目標獲得数から予算を逆算

具体的な計算例

例:オンライン英会話スクールの場合

Step1: 「オンライン英会話」の月間検索ボリューム:10,000回

Step2: 予想CTR:3% → 想定クリック数:300回

Step3: 予想CPC:200円

Step4: 予想CVR:5% → 想定獲得数:15件

Step5: 月額広告費:300クリック × 200円 = 60,000円

結果:月15件の新規獲得に約6万円の予算が必要

逆算時に使える業界別の平均値

指標 一般的な数値 高い業界例 低い業界例
CTR(クリック率) 2~5% ブランド系:10%以上 競合激化業界:1~2%
CVR(コンバージョン率) 2~8% ECサイト:5~15% BtoB:1~3%
CPA(獲得単価) 3,000~15,000円 不動産:50,000円以上 EC商品:1,000~5,000円
逆算予算設定のメリット

キーワードボリュームからの逆算により、根拠のある予算設定が可能になります。また、目標達成に必要な最低予算がわかるため、無駄な支出を避けることができます。

リスティング広告の外注費用

リスティング広告の運用を外注する場合、広告費とは別に運用代行費用が発生します。適切な代行会社選びのために、費用相場を理解しておきましょう。

運用代行費用の料金体系

1. 広告費連動型(最も一般的)

  • 広告費の15~25%が運用手数料
  • 広告費が高いほど手数料も高くなる
  • 成果に関係なく固定の割合で費用が発生

2. 固定費用型

  • 月額5万円~30万円の固定費用
  • 広告費に関係なく一定の費用
  • 大規模な広告運用の場合にお得

3. 成果報酬型

  • 獲得1件あたり3,000円~20,000円
  • 成果が出ない場合は費用が発生しない
  • スタートアップ企業に人気

外注先別の費用相場

外注先 初期費用 月額費用 特徴
大手広告代理店 10万円~50万円 広告費の20~25% 手厚いサポート、高い専門性
中小広告代理店 3万円~15万円 広告費の15~20% 柔軟な対応、コストパフォーマンス良
フリーランス 0円~5万円 5万円~20万円 低コスト、個人の実力に依存
運用ツール 0円~3万円 1万円~10万円 自動化、基本的な運用のみ

外注を検討すべき予算の目安

外注を検討すべきタイミング

月額広告費が20万円を超える場合は外注を検討しましょう。運用代行費用を支払っても、専門家による最適化で広告効果が向上し、結果的にROIが改善されることが多いです。

予算設定時の注意点とよくある失敗

リスティング広告の予算設定では、初心者が陥りやすい失敗があります。これらを避けることで、より効果的な広告運用が可能になります。

よくある失敗パターン

1. 初期予算の設定が低すぎる

  • 最低3か月分の予算を用意する
  • データが蓄積されるまで成果は出にくい
  • 競合調査を怠ると予算不足に陥る

2. 全ての予算を一つのキャンペーンに集中

  • 複数のキャンペーンに分散してリスクを軽減
  • 成果の良いキャンペーンに段階的に予算を移行
  • テスト用予算を必ず確保する

3. 季節変動を考慮しない予算設定

  • 業界の繁忙期・閑散期を事前に調査
  • 競合の動向に合わせた予算調整
  • 年間計画を立てて月ごとの予算配分を決める

効果的な予算設定のコツ

  1. 段階的な予算増加:最初は小額から始めて、成果を確認しながら増額
  2. 予備予算の確保:メイン予算の20~30%を予備予算として確保
  3. 競合分析の実施:競合他社の広告動向を定期的にチェック
  4. ROI目標の設定:明確な投資対効果の目標を設定
  5. 定期的な見直し:月1回は予算配分と成果を見直す

重要:リスティング広告は継続的な改善が必要です。初期の予算設定が完璧でなくても、データに基づいた調整を繰り返すことで、最適な予算配分を見つけることができます。

まとめ

リスティング広告の予算設定は、事業の成功を左右する重要な要素です。本記事で解説した内容を整理すると、以下のポイントが重要です。

  • 業界別相場の把握:自社の業界における予算相場を理解し、適切な初期予算を設定する
  • キーワードボリューム逆算法:検索ボリュームから必要予算を論理的に算出する
  • 外注費用の検討:月額20万円以上の場合は専門家への外注を検討する
  • 段階的な予算増加:小額から始めて成果を確認しながら予算を拡大する
  • 継続的な改善:データに基づいた定期的な予算見直しを実施する
最後に

適切なリスティング広告の予算設定により、効率的な顧客獲得が可能になります。まずは業界相場を参考に初期予算を設定し、キーワードボリューム逆算法で根拠のある計画を立てましょう。重要なのは、設定した予算で継続的にテストと改善を繰り返すことです。

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