リスティング広告はオークション式 !入札単価や上位表示の条件を解説

インターネット検索をしたとき、検索結果の上部に表示される広告を見たことはありませんか?あれが「リスティング広告」です。リスティング広告はオークション式で掲載が決まります。このオークションでは、単に入札額が高いだけではなく、広告の質も重要な要素となっています。

今回は、このオークション方式の仕組みや、上位表示されるための条件について、わかりやすく解説します。

リスティング広告とオークション方式の基本

リスティング広告とは、GoogleやYahoo!などの検索エンジンで、ユーザーが検索したキーワードに関連する広告を表示する仕組みです。この広告は検索のたびにオークション形式で表示する広告と順位が決まるという特徴があります。

オークションと聞くと、「最も高い金額で入札した人が勝つ」というイメージがありますが、リスティング広告のオークションは少し違います。広告の掲載順位は「広告ランク」という値で決まり、これには入札額だけでなく広告の質も考慮されます。

ポイント

リスティング広告のオークションは、ユーザーが検索するたびに実施されます。そのため、同じキーワードでも時間や場所によって表示される広告や順位が変わることがあります。

オークションの流れ

  1. ユーザーが検索エンジンでキーワードを入力して検索します
  2. 検索キーワードに関連する広告がすべて抽出されます
  3. 広告の地域設定や承認状況などで、不適切な広告が除外されます
  4. 残った広告の「広告ランク」が計算されます
  5. 広告ランクが高い順に広告が表示されます

入札単価とは何か

入札単価とは、広告が1回クリックされたときに広告主が支払う上限額のことです。リスティング広告では、この入札単価を設定することで、オークションに参加します。

例えば、「靴 通販」というキーワードで広告を出したいとき、「このキーワードで1クリックにつき最大100円まで支払ってもいい」と設定するのが入札単価です。一般的に、入札単価が高いほど広告の掲載順位が上がりやすくなります。

入札単価の特徴

  • キーワードごとに設定できます
  • 上限金額であり、実際の支払い額(クリック単価)は入札単価より低くなることが多いです
  • 競争の激しいキーワードほど、入札単価が高くなる傾向があります
  • 入札単価を低く設定しすぎると、広告が表示されにくくなります

品質スコアとは何か

品質スコアとは、広告の質を1〜10の数値で評価したものです。この数値が高いほど、広告の質が高いと判断されます。品質スコアは、広告の関連性やユーザーにとっての有用性を示す指標となります。

品質スコアを決める3つの要素

要素 内容
広告の推定クリック率 ユーザーが広告をクリックする可能性の高さ
広告の関連性 広告の内容がキーワードと検索意図にどれだけ一致しているか
ランディングページの利便性 広告をクリックした後のページが使いやすく、関連性の高い情報を提供しているか

品質スコアは、広告の管理画面で確認することができます。ただし、これはあくまで目安であり、実際のオークションではより詳細な評価が行われています。

ポイント

品質スコアが高いと、低い入札単価でも上位表示される可能性があります。つまり、広告の質を高めることで、広告費を節約しながら効果的に広告を出すことができるのです。

広告ランクと掲載順位の関係

広告ランクとは、リスティング広告の掲載順位を決める指標です。広告ランクが高いほど、より上位に広告が表示されます。

広告ランクの計算方法

広告ランクは、以下の計算式で求められます:

広告ランク = 品質スコア × 入札単価

例えば、品質スコア8、入札単価100円の広告Aと、品質スコア4、入札単価150円の広告Bでは、広告ランクは以下のようになります。

  • 広告A:8 × 100円 = 800
  • 広告B:4 × 150円 = 600

この場合、広告Aの方が広告ランクが高いため、広告Bよりも上位に表示されます。このように、入札単価が低くても、品質スコアが高ければ上位表示が可能なのです。

広告 品質スコア 入札単価 広告ランク 掲載順位
広告A 10 100円 1000 1位
広告B 5 100円 500 2位
広告C 1 100円 100 3位

実際のクリック単価(支払い額)の決まり方

リスティング広告では、実際に支払うクリック単価は入札単価より低くなることがほとんどです。これは「セカンドプライスオークション」という仕組みが採用されているためです。

セカンドプライスオークションとは

セカンドプライスオークションとは、自分の次に高い入札をした人の金額に少し上乗せした額(例えば1円上乗せ)を支払う仕組みです。リスティング広告では、これがさらに品質スコアを加味した形で適用されます。

実際のクリック単価の計算方法

実際のクリック単価は、以下の計算式で求められます:

実際のクリック単価 = 自社広告直下の広告ランク ÷ 自社広告の品質スコア + 1円

例えば、品質スコア10、入札単価100円の広告Aと、品質スコア5、入札単価100円の広告Bがあった場合、広告Aの実際のクリック単価は以下のように計算されます。

  • 広告B(直下の広告)の広告ランク:5 × 100円 = 500
  • 広告Aの品質スコア:10
  • 広告Aの実際のクリック単価:500 ÷ 10 + 1円 = 51円

このように、品質スコアが高いほど、実際のクリック単価を抑えることができます。つまり、広告の質を高めることで、コストパフォーマンスの良い広告運用が可能になるのです。

ポイント

品質スコアが高いと二重のメリットがあります:

  • より少ない予算で上位表示が可能
  • クリックあたりの実際の支払い額が少なくなる

リスティング広告で上位表示されるためのポイント

リスティング広告で上位表示されるためには、広告ランクを高める必要があります。そのためのポイントを見ていきましょう。

1. 品質スコアを高める

  • 広告文に検索キーワードを含める:ユーザーが検索したキーワードが広告文に含まれていると、関連性が高いと判断されます
  • 魅力的な広告文を作成する:ユーザーの興味を引く広告文は、クリック率の向上につながります
  • ランディングページを最適化する:広告をクリックした後のページが使いやすく、関連性の高い情報を提供していることが重要です

2. 適切な入札単価を設定する

  • 競合分析を行う:競合他社の入札単価を把握し、戦略的に入札単価を設定しましょう
  • コンバージョン価値を考慮する:商品やサービスの利益率に基づいて、適切な入札単価を設定しましょう
  • 定期的に見直す:市場状況や競合状況は常に変化するため、入札単価も定期的に見直すことが大切です

3. 広告表示オプションを活用する

広告表示オプションとは、広告の下部に表示される追加情報のことです。これを活用することで、広告の魅力が高まり、クリック率の向上につながります。

  • サイトリンク表示オプション:広告からウェブサイトの特定のページへ直接リンクを作成できます
  • コールアウト表示オプション:商品やサービスの特徴や利点を短いフレーズで表示できます
  • 電話番号表示オプション:スマートフォンから直接電話をかけられるようにします

自動入札と拡張クリック単価について

リスティング広告には、入札単価を自動で調整する機能があります。これを活用することで、より効率的な広告運用が可能になります。

拡張クリック単価とは

拡張クリック単価とは、コンバージョン(成果)の可能性に応じて、入札単価を自動で調整する機能です。コンバージョンの可能性が高いと判断された場合は入札単価を引き上げ、逆に低いと判断された場合は引き下げます

例えば、過去のデータから「30代の女性がスマートフォンから夜に検索した場合、コンバージョンの可能性が高い」と判断されれば、そのようなユーザーに対しては入札単価を引き上げて、上位表示を狙います。

スマート自動入札とは

スマート自動入札とは、機械学習を使って入札単価を最適化する機能です。これを活用することで、コンバージョンの最大化やコスト効率の向上が期待できます。

スマート自動入札には、以下のような種類があります:

  • 目標コンバージョン単価:設定した目標コンバージョン単価を達成するように自動で入札単価を調整します
  • 目標広告費用対効果:設定した目標広告費用対効果(ROAS)を達成するように自動で入札単価を調整します
  • コンバージョン数の最大化:予算内でコンバージョン数を最大化するように自動で入札単価を調整します

まとめ:リスティング広告のオークション式と上位表示の条件

リスティング広告のオークション式について、以下のポイントを押さえておきましょう:

  • リスティング広告はオークション式で掲載が決まるが、単に入札単価が高いだけでは上位表示されません
  • 広告ランク = 品質スコア × 入札単価で計算され、この値が高いほど上位に表示されます
  • 品質スコアは広告の推定クリック率、関連性、ランディングページの利便性で決まります
  • 実際のクリック単価は入札単価より低くなることが多いです
  • 品質スコアを高めることで、少ない予算でも上位表示が可能になります
  • 自動入札機能を活用することで、より効率的な広告運用が可能です

リスティング広告では、単にお金をかければ良いというわけではありません。ユーザーにとって価値のある、質の高い広告を作ることが大切です。品質スコアを高め、適切な入札単価を設定することで、コストパフォーマンスの良い広告運用を実現しましょう。

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